あらすじ
日銀がデジタル通貨を発行し、デジタル人民元に対抗する具体的方策を提示!
リブラ構想は主要国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)への取り組みを加速しました。
2020年には中国やスウェーデンが試験的導入に踏み切るとみられるほか、ユーロ圏でも具体的なイメージが明らかになるなど、調査研究の段階から実践の段階へいよいよ踏み出すことになります。
CBDCの導入は、銀行券の代替やキャッシュレスの促進に止まらず、金融サービスと非金融の消費者サービスとの融合や、それらに対する異業種からの参入を通じて、金融システムを根底から変える可能性があるほか、金融監督や金融政策にも大きな変化を迫ることになるでしょう。
本書は、このようなCBDCの導入の背景やねらい、主要国の動きや導入されるCBDCのイメージを解説。日本(日銀)を念頭に置きながら、CBDCの円滑な導入と既存の金融システムからの移行に必要となる条件や想定されるスキーム、導入の戦略、結果として生ずる金融サービスや政策に対するメリットと課題を明らかにすることで、日銀によるデジタル円導入実現に向けた議論を啓発します。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日本銀行が発行する際の「デジタル円」の論点を網羅した良書。
デジタル人民元・ビットコインなどデジタル貨幣が時代の流れになっているが、その中で「デジタル円」の意義と役割を深く理解できる。
当初思っているよりも、奥行きがありより立体的に構造を理解することができた。
中国と米国がデジタルマネーで覇権争いをしつつ、日本はゆっくり追随する形になる。
Posted by ブクログ
中央銀行デジタル通貨は、銀行券を電子化するだけでなく、段階を踏んで銀行預金も対象となる。そうなったときに、銀行の機能である金融仲介、信用創造、決済がどうなるのか考えさせられる。なかんずく「中央銀行デジタル通貨の導入は、少なくとも長い目でみた場合には、預金と貸出に基づく金融仲介に大きな変化をもたらす可能性があり、それはそうしたビジネスモデルが限界に直面しつつある日本では特に大きな意味をもちうる」。
銀行員は是非理解しておくべき内容だろう。