あらすじ
天女のように美しく、質素で健気な若い妻。その完璧な笑顔の裏に隠された秘密とは!? テレビやラジオで落語が大人気だった、賑やかなりし昭和五十年代。女に金に、そして芸の道に悩める噺家たちが、今日も探偵・林家正蔵(のちの彦六)の住む長屋へとやってくる。笑いと人情にあふれた無類の落語ミステリー第四弾。文庫書き下ろし〈解説〉広瀬和生
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Posted by ブクログ
面白く読みました。
しかし、同じ作者の紅梅亭のシリーズと並べると、こちらの正蔵刺傷のシリーズ、ブラックな部分が多いなあ、と思います。それが読後のやりきれなさを生むのかと。
やりきれなさ、は言い過ぎかもしれませんが、切なさの方がよいでしょうか。謎解きやら師匠の描写やらはスカッとしてるのですが、読後感に薄闇のようなものが残るのです。
それでも今作は薄闇が最後に本当に薄くなった気はしました。
スカッとした感じが少なくなるのは、紅梅亭が狂言回し・主要人物が終生噺家であるのに、こちらは噺家でなくなる(なくなるように読める)からかもしれません。そこに至る過程が少々心を曇らせるのかな。
今回は通奏低音のようにラストを見通せるような伏線と思わせるものがあり、なんとも読み進めるのが辛い、怖い頃がありましたが、ラストは見事、前作までのパターンも今作のための演出かと思わせる、その点ではスッキリする感じでした。その分、第1話の暗さが……
さて、次作はどう来るのでしょう。
とても楽しみです。
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
天女のように美しく、質素で健気な若い妻。その完璧な笑顔の裏に隠された秘密とは!?テレビやラジオで落語が大人気だった、賑やかなりし昭和五十年代。女に金に、そして芸の道に悩める噺家たちが、今日も探偵・林家正蔵(のちの彦六)の住む長屋へとやってくる。笑いと人情にあふれた無類の落語ミステリー第四弾。
Posted by ブクログ
天女の正体、なんとなく想像していた通りでなんだか嬉しい。ま、まぐれ当りとも言うけどw
天女の想いはせつないね。
紅梅亭シリーズとのリンクも楽しい。
馬春師匠って、若い頃はこういう感じなのね、とか。
でも、猫の事件は許しがたい。動機を知ったらなおのこと。
だから、それをああいう決着にしてしまうのは納得がいかない。
ああいうのを人情的な解決とするのは、なんだかなぁ。
好きなシリーズなので、次はすっきりと楽しみたい。