あらすじ
韓国人元徴用工問題を解決済とする日本政府。一方で元徴用工が補償を求める個人請求権が存在することも認めている。彼らの訴えに耳を傾けることが、戦後七十五年間、民間人の空襲被害や外国籍の人々への戦後補償を放置してきた日本社会に問われているのではないか。著者は弁護士として中国人強制労働事件の和解交渉にかかわった経験を踏まえ、元徴用工問題和解への道を探る。
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Posted by ブクログ
中国人強制連行・強制労働に対する損害賠償請求の提訴から和解への道のりがよく分かった。裁判所が法的には請求を棄却せざるを得ないが、強制連行・強制労働の事実を認定し、付言で当事者間での和解を勧めたことにより、関係者の努力で鹿島建設、西松建設、三菱マテリアルでの賠償と和解がそれぞれ程度の違いはあるが成し遂げられた。対韓国とでは、国が賠償を拒絶しているのは同じとしても、民間会社が動けないような行動をとっているように思える。被害者の思いを一顧だにしない態度であることが情けない。それであるから対中国とは違って、前述の和解のようにはとうてい進まないのではないか。