【感想・ネタバレ】月の客のレビュー

あらすじ

書かれたとおりに読まなくていい。どこから読んでもかまわない。一気読みできる本のように、一望して見渡せる生など、ない。「小説の自由」を求める山下澄人による、「通読」の呪いを解く書。父はおらず、口のきけない母に育てられたトシは、5歳で親戚にもらい子にやられた。だがその養親に放置され、実家に戻ってきたのちトシは、10歳で犬と共にほら穴住まいを始める。そこにやってきたのは、足が少し不自由な同じ歳の少女サナ。サナも、親の元を飛び出した子どもだった――。親からも社会からも助けの手を差し伸べられず、暴力と死に取り囲まれ、しかし犬にはつねに寄り添われ、未曽有の災害を生き抜いたすえに、老い、やがていのちの外に出た<犬少年>が体験した、生の時間とは。

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Posted by ブクログ

新しい読書体験!
普段だったら本を読んだあとにもっと本の世界が立ち上ってきたりするけれど、この本は違う。読んでいる最中の、まさに隣で見ている感が強すぎて。顔を上げた途端に声が遠のく。だけど再び戻した視線から音が聞こえるような感覚を味わえた。

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2020年08月11日

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