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Posted by ブクログ 2020年11月07日
ほぼ脊髄反射で恋する天才ヴァイオリニスト×その大ファンの潔癖クラシックオタク(写譜屋)。
このレビューは以下、とてもネタバレしています。
何やかんや面倒見のいいブラコン兄と、幼少期から培われた我慢強さと物事を冷静に見ている清春のお陰で後半のバタバタも重くなりすぎず、ほんわかとした印象の作品になっ...続きを読むている。
律のマネージャー・奏は手の震えにより挫折した元ヴァイオリニスト(多分、少なくとも奏者)で、律を盲信していることからロボット並の作業感覚でその身の回りの恋愛関係を統制し、律個人の感情を排した天才ヴァイオリニストでいさせようとしているよう。……いや、怖いわ。と思ったのですが、クラシックに取り憑かれた者の成れ果てとしてはあるのか……?
道を絶たれた人が親になり、我が子で夢を叶えようとしていることをマネージャーが担当ヴァイオリニストで成そうとしているのではないかと思います。歳もそう違わなそうな他人である分余計怖いのですが、元は同じ方向を見ていたわけですし、次第に全面ではなくとも利害は一致していることもあり奏本人はそれに気づいていないということですかね。律を、ではなくクラシックを盲信して、一個人・人間としての律が見えないとかそういう。(高いマネジメント力を鑑みたとて迷惑な話だが)
もしくは単純に音楽と感情の繋がりを解せないタイプか。
多分きっと悪い人ではない……が、悪い人でなければ大丈夫というわけでもない人なんだろうと思います。
ともあれ、最後まで読んだところで、冒頭の律や、兄が清春にした質問とも話が繋がり何となく気持ちがスッキリとしました。
兄が律に弟のどんな話をしていたのかわかる気がします……。
カバー裏も出発前のその一つだと思いますが。