あらすじ
23歳で職を失いギリギリだった著者が、お客さんのさびしさに心と体で寄り添い、前に進むためのきっかけを一緒に探ってきた日々。対話型レズ風俗店オーナー兼キャストが初めて語る一冊。
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Posted by ブクログ
読み物として面白いだけでなく社会に潜む悩みの一端に触れることができたので読んで良かった。繊細な文章表現が魅力で、ひとりひとりの問題やそれに寄り添う過程が描かれている。想像力を働かせながら、すいすいと読み終えることができた。著者がレズ風俗という形で提供しているサービスは一種のカウンセリングのようで、本を読むうちに必要性が十分に伝わった。必要な人に広く届きますようにと願うばかりである。
匿名
レズ風俗の世界に興味があり
分かりやすいタイトルと、夕暮れの温かい風に吹かれてこちらを見つめる女性のイラストに惹かれ、購入しました。
性行為だけでなく、対話で心の隅に追いやられている本音を取り出して軽くしてくれる、そんな接客をされている方が居るのだと。
私も接客業に従事しておりますが、ここまで深くお客さんの内面に寄り添うことは無いので、そういった面でも未知の世界でした…!
レズ風俗といえど、セクシュアリティ関係なく利用できる(実際のお客さんはレズビアンでない人の方が多い)とのこと。
言語化を大切にし、仕事を通して他人を思いやる姿勢が素敵です。
風俗のイメージが覆る
作者のことが知りたくて購入しました。
作者の経緯や仕事に対する想いに触れられるのは勿論ですが、利用客の心の叫びが鮮烈です。
選んで産まれることも努力で変えることも出来ない事柄に対し、俗に言うフツウでない方たちが、なぜそのままでは居られないのか、ありのままでは生き苦しくなってしまうのか。性に関する問題か否かに関わらず、固定観念や少数派であることについて考えさせられます。
実は読む前からこのお店のことは知っており「風俗店と謳ってしまうのは勿体ないのでは」と思っていたのですが、風俗店という看板を掲げていることが大切なのだと、納得致しました。
Posted by ブクログ
リアル本にて。
神保町の東京堂書店で、レア本フェアの一冊として陳列されていた。
タイトルにひかれ、あまりにも知らない分野だったので、購入。
接客のエピソードが中心かと思いきや、思いの外著者の半生にフォーカスしているところが多く、ちょっと期待と違った。
ただ、絶対に自分が一生行けない世界を垣間見ることは、じんわり面白かった。
Posted by ブクログ
こんな世界があって、人と向き合う方法があるんだなと知る事ができた。自分が何を悩んでるのかずっと言語化できなくて抱えたままだったけど、色んな方法で探してもいいのかもしれない。色んな悩みを持った人がそれを解決しようとしてるし、解決してくれようとしてる人もいる事を知った。
Posted by ブクログ
まずタイトルにインパクトがあり、たじろぐ方も多いだろう。
こちらのインスタで見かけ、気になった一冊。
最近、草なぎ剛さん主演映画「ミッドナイトスワン」を観た。
主人公はトランスジェンダー。心は女性だが、体は男性。
幼い頃からその違和感、苦しみを抱えて「自分らしさ」と向かい続ける。
本著も、LGBT=性的少数者 ( セクシャルマイノリティ) の悩みを持つ多くの登場人物たちが描かれる。
作者は橘みつさん。
27歳にして、その人生は濃厚だ。
脚色はしているものの、経験に基づいた実話が描かれている。
みつさんは、一般企業に新卒として就職するも、体調不良を理由に3ヶ月で解雇されてしまう。
そこから、ガールズバー、ホステスとして働き、様々な人達と出会い、影響を受けることになる。
そして、たどり着いたのがレズ風俗。
レズ風俗嬢としてトップの人気を誇る女性「なの葉」に抱かれ、話を聞くことで、自らも決意を固める。
自身も女性経験があったこともあり、即採用が決まり、働き始める。
利用する客は、様々。意外だったのは、彼女も書いていたが、同性愛者は少ないということ。
多くの女性と時間を過ごし、触れ合うことで、みつさんは自分にしか出来ないこと、自分がやるべきことに気づいていく。
ただ性の欲求を満たすのではなく、友人でも知り合いでもない、「誰かに話を聞いてもらいたい」、という人がとても多いのだった。
そこで、「対話型レズ風俗」を自ら立ち上げ、自らキャスト権経営者となる。
みつさんの発想は、率直に素晴らしいものだと思った。
みつさんは多くの悩みを抱えた女性たちの話を聞いて、体に触れて、心も体も解き放たせる。
彼女に救われた人も、とても多いだろう。
どんな仕事でもコミュニケーション力は大事。
みつさんは、そのコミュニケーション力が突出している方だと感じた。
また本を出されたら読んでみよう。
Posted by ブクログ
わたしの知らない世界がありました。
普通に異性を好きになって、夜の街など知る由もなかった私には、この本はとても良かったです。
言葉選びが繊細で、優しさに溢れてます。
とても、読みやすく一日で完読出来ました。
セクシュアリティのこと、社会のこと、人間関係のこと、など色々考えさせられます。
著者が、苦悩を乗り越えて周囲に支えられながら自分がやりたい事を見つけて現在も進み続けているということに感動しました。
これは、オススメと言える本です。
是非読んで欲しいです。