あらすじ
読んでしまったら、もう、あなたは呪いから逃れられない……。小説投稿サイト・エブリスタに集まった10万作超の中から本当に怖い話9編を収録した傑作短編集。
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Posted by ブクログ
人の心に巣くった怒りや妬み、憎悪。それらは呪いという形で私たちの前に現れた。押さえきれなくなったそれらはやがてこの世に振り撒かれ、行き着く先をみつけたとき、その呪いは成就する。
5分で一話読み切れるという宣伝文句のシリーズから怖い本が一冊出ていたので購入してみた。全部で9話、作者の違う作品が掲載されている。5分ほどで読める作品という事なので、一作一作はそれほど長くないが、それぞれいろいろなテーマで書かれており面白かった。それでも知りたいと思ってしまうのが人間の性だろうか。釘を刺されたら余計にそう思ってしまうものなのかも。(語り手の男はそうでもないが)興味を持ってしまい、実際にひきずりさまが現れた時、あろうことかその正体を見てしまった。結果、怪異に取り込まれ……。すべてを悟った語り手はうまく逃げたと思いきやとラストが畳みかけるように怖くなりとっても良かった。 「ハンバーガー店で女子高生が言ってた海の話」はこれから食事をしようと思っている人は要注意の内容。怖いというよりは気持ちが悪いというのが正しいだろう。ハンバーガー店で遅めの夕食をとっている語り手が、女子高生二人が語る水死体に関する話を聞いていくうちに、別れた妻と符合する点をいくつも見つけてしまい、疑心暗鬼に陥る。聞けば聞くほど元妻に似ており徐々に追いつめられる。しかし、何とか妻ではないはずだと思いなおしたが……。これはオチがわかった後、今までの事を思い返すと一気に気持ちが悪くなった。ここにそれがあるという事は、つまりそういう事なのだろう。思い出してやや吐き気を催す。怖い、というより本当に「うわあぁ」という感情が先だった。