【感想・ネタバレ】よこどり 小説メガバンク人事抗争のレビュー

あらすじ

自分を見失った男たちへのレクイエム
組織は、あなたからどこまで奪うのか!

メガバンクを舞台に「失われた30年の真因」を問う、緊迫のエンタテインメント。

「細部の圧倒的なリアルさ。銀行小説の新たな金字塔だ」――楡周平

【プロローグより】
「まず、君の手柄は、すべて私の手柄にする。いいな」
「はっ」
「それから、私の失敗は、すべて君のせいにする」
竜崎はおおきな執務机の前に寺田を立たせたまま、椅子の背に悠然と身体を預けていた。
「ただ、心配する必要はない。
君も、君の部下に同じようにやればいい。
それが銀行だ」
(引用ここまで)

舞台はメガバンク、主人公は広報部長――
裏切り者は、中(なか)にいる!

元共同通信日銀キャップが書く
巨大銀行の仁義なき権力闘争
息をのむ裏切りの連続
最後に立っているのは、誰か――

【ストーリー】
AG住永フィナンシャルグループの広報部長、寺田俊介は記者とのインタビュー中に
社長の竜崎太一郎が漏らした一言から、自らの出世の可能性を嗅ぎ取る。
吸い寄せられるように竜崎に服従する寺田は、経営難に転落した大手不動産をめぐる情報戦や大手証券との再編、バランスシートの膿、竜崎と相談役の人事抗争…と次々に訪れる難題に直面。掟破りの手段へと手を染め、メガバンクを覆う深い闇へと足を踏み入れていく。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

仕事は誰かのためにするものであることの大切さを改めて感じます。自分のため、組織だけのためにやる仕事は内向きで、組織を腐らせるきっかけになり得るものです。自分の信念は何か、大切なものは何か、当初抱いた志を忘れずに日々の仕事に取り組みたいと思える一冊です。

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2020年05月31日

Posted by ブクログ

歴史は繰り返す。
権力という魔物に取り憑かれると、本当のお客さんが見えなくなり、何が正しいのか分からなくなる。正しいことを主張するには、力を要する。すると派閥の形成などに時間が取られる。すると迷路に入り込む。いつの時代にも権力争いは繰り返され、権力に満たされるものは、道を誤る。そんな人間の葛藤と高揚を銀行という舞台で広報部を通して描いた一冊。

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2020年05月23日

Posted by ブクログ

俺はサラリーマンじゃない、ビジネスマンだ、と豪語しているけれども、結局組織に巻かれていくもの。
銀行員さんは身に沁みる話でしょうなあ。

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2021年02月14日

Posted by ブクログ

『部下の手柄は上司の手柄。上司の失敗は部下の失敗。ただし、心配する必要はない。君も君の部下に同じようにやればよい。これが銀行だ。」
半沢直樹を意識して描いたのだと思うが、話に深みがない。今どき、こんな銀行員はいないと思う。半沢作品が素晴らしいのは、ディテールの良さもさることながら、勧善懲悪でスッキリする爽快感ではないだろうか。
二番煎じのこの作品は、世の中のえげつなさだけを強調しているようで、後味が悪い!

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2020年08月03日

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