あらすじ
「失われた30年」とも呼ばれ、90年以降、低迷を続ける日本経済。この間、企業業績や私たちの暮らしはどう変化してきたか。豊富なデータにもとづき、30年間の景気の動きを追跡。その時々の政権によって実施された無用の諸「改革」が景気の腰を折り、日本経済の構造をどのように変質させていったのかを浮き彫りにする。
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Posted by ブクログ
ズバリ、言ってくれてます。
“「構造改革」とは、①何よりも財界(経済界)の要望に応える政策であった”
“「構造改革」の影響を受けて…「景気は良くなっても(企業が儲かるようになっても)、賃金が上がらない構造へと、日本経済が変わった」
Posted by ブクログ
バブルから現在に至るまでの景気変動について、概説的な事柄を知ることができました。
非常に有益な読書体験になりました。
結論の部分で、社会保障制度の拡充について著者の考えが述べられていましたが、ここだけに関しては素人考えでも「学者らしい理想主義的な提言だな」と思ってしまいました。
Posted by ブクログ
バブル崩壊以降の日本経済の停滞についての状況・原因・対応策等についての本を何冊か集中的に読んでおり、本書もその一環。
これまで数冊読んだが、筆者によって、主張している内容がかなり異なる。
本書の筆者は、明らかに旧民主党シンパである。鳩山さんから始まる民主党政権に同情的である。ということは、自民党政権に対しての評価が厳しいという立場である。
日本経済の長期停滞については、「バブル崩壊以降」というのが一般的理解であるが、しかし、より細かく見ると、91-93年のバブル崩壊後の景気後退の後、93年11月から景気は回復している。長期停滞の本当の開始は、97年6月から。橋本内閣の、「構造改革」に端を発する、賃金の落ち込みによる民間消費支出の落ち込みが原因、というのが筆者の基本的な説明である。
その後の自民党内閣は失政を引き継いだ。一時、民主党が政権をとり希望が持てたが、不運にも民主党は自民党に政権を明け渡した。以降の自民党内閣は、アベノミクスに至るまで失政を繰り返している。
以上が、筆者の主張だ。
私が読んだ他の本でも、政府の政策が日本経済の長期低迷の原因であると主張するものはいくつかあったが、本書においては、長期低迷の要因として「政府の政策」が占める役割が大きいというところが特徴の一つだ。
もう一つの特徴は反自民党政権、反アベノミクスであるにも関わらず、リフレ派に近い主張をしていることである。日本は巨額の財政赤字を抱えているが、それは、すぐにどうこうなる、という話ではなく、財政引き締め等の策はとるべきではないという主張である。
何冊か本を読んでみて、学者の間でも(私が読んだ本は、多くが経済学者の書いたものだ)、日本経済の長期低迷の原因は統一見解がないのだということを知った。経済学って何なのだろうか?とも思ってしまうが、逆に統一見解があるのであれば、このような長期低迷状態にはなっていなかったということだろう。
Posted by ブクログ
良書。
失われた30年は政治の失敗。政府の言うことを鵜呑みにしてはいけない。確かに、客観的にみて、アベノミクスは失敗している。自民党は企業寄り。
自民党批判、民主党養護の印象。民主党も惜しいことをやったと思える。
自分の身は自分で守るしかない。
Posted by ブクログ
バブルからアベノミクスまでの日本の経済動向を詳細に論じた著書。日本の現代経済史について学ぶ上で助けになる著書ではあるが、民主党寄りの筆者の立場が色濃く出ており、やや露骨な橋本政権や小泉政権の構造改革批判・民主党政権下の政策擁護の論調である点に注意する必要がある。