あらすじ
学術論文になるとは思えないテーマのオンパレード!
ラーメン、アイドル、猫の思い出、ギャンブル、心霊写真……
研究者が命をかけて取り組んだ論文をポップに解説する、大人向け図鑑が登場!
NHK Eテレ、異色の知的エンタメ番組「ろんぶ~ん」の出版化。
この世界に数多存在する論文。
最先端のもの、「そこに目をつけたか!」とうならされるもの、役に立つとはとても思えないもの……
共通点があるとすれば、それらはすべて研究者が人生をかけて書き上げたものであるということ。
本書は、ありえないほどユニークでクリエイティブな論文を取り上げ、執筆した本人の言葉をもとにひもといていく。
さあ、“知の結晶”に込められた愛、情熱、苦悩、汗をともに味わおう!
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Posted by ブクログ
先日篠山紀信さんが亡くなった。
この本を読んでいたら1970年代アイドルを表紙に起用するスタイルを最初に始めたのが篠山紀信さんだったと書いてあった。
紹介されていた論文のタイトルは
1970年代の「アイドル」文化装置としての雑誌『明星』-田島悠来
アイドル文化の起源について300ページ近い超大作らしい。
ニュースの死亡記事があってこの論文に興味をもったが、他の論文もみな目の付け所が面白い。
その切り口があったかぁ!と膝を打つ。
個人的に好きだったのは漫画『カイジ』で「運」との向き合い方を考える
「運」という物語と主体との関係-土井孝典
という論文。
カイジについて考察しながら主人公が運という存在に立ち向かっていく成長物語であり、私たちが運というコントロールできないものに対してどのように向き合うかを考えている。
さすが臨床心理士の先生。私はカイジを読んでそんな深く考えたことはなかった。
Posted by ブクログ
面白いテーマの論文を一般人向けにわかりやすく説明した本。アイドル、猫、ラーメン…身近なテーマに論文的に切り込むとこうなるのか!と新たな発見が満載だった。
NHKでろんぶ〜んという番組があったことも知らなかったし、今までの人生で論文に触れたのも卒論ぐらいだったので、新しい世界に足を踏み入れた気分だ。
内容も論文内容を連連と書いているのではなく、わかりやすい言葉で要約されているし、書いた人のインタビューや背景も掲載されているので親近感が沸いた。
個人的にラーメンかカレーかどちらが真の国民食か決める論文の話が1番好きだった。
また、ロンドンブーツ一号二号の田村淳さんの寄稿が巻末にあったが初めて彼の文章を読んでその読みやすさと素直な感想に感心した。
Posted by ブクログ
本の元になったテレビ番組は全く知らなかったのですが、タイトルを見て「面白そう」と思い、読んでみました。
個人的には、最初に紹介されている論文の内容が今一つだったので、「期待外れかも…」と思いつつ読み進めたのですが、2つめ以降は面白い論文が続いていて、興味深くよむことができました。
どの論文も、とっかかりは「ウケねらい」のように見えるかもしれないのですが、内容としては非常にまっとうで(でなければ、論文にならないので、当たり前なのですが)、学問に対するハードルを下げる意味では、こういう論文は、もっと紹介、利用され、評価されてもいいかもしれない、と思いました。
Posted by ブクログ
そのままだと読みづらい論文をわかりやすく解説してくれます。
テーマが変わっている論文をピックアップしているので、好奇心をより刺激されました。
実験をして分析をして結論を書いている論文からフィールドワーク中心の論文まで多種多様です。
大学は卒業してしまいましたが、また入り直してゼミで卒論を書きたくなりました。
意外だったのはコメントを寄せている田村敦さん。
あまり人柄を知らなかったのですが、コメントが面白く着手されている事業にも興味がわきました。
この人のエッセイとかあれば、読んでみたいな。
Posted by ブクログ
疑問を持てる人は、知の扉を開ける。「ラーメンの残り汁でエンジンは動くか」「漫才ロボットの作り方」等ギャグのような事を真剣に研究した論文を紹介。
石油の代替エネルギーを探していたことから始まった
「ラーメンの残り汁でエンジンは動くか」
研究を始めた方の前に、すでに実用化している企業があり、驚きました。どんなことにも疑問を持って調べ、探求している人は進歩していくのですね。
Webニュースから自動即席漫才を作ろうと試みる
「即席漫才ロボットの作り方」
対立語(野球とサッカー)や言い間違い(母音と子音が似ている投票と凍傷)など漫才によく使われる技をいかにネットから拾って台本にするかが実験されています。
ネットニュースで作ったネタとAIが作ったネタの違いも面白かったです。
内容は大きく分けて、ラーメン、猫、漫才、アイドル、ギャンブルの5つです。
どれも研究者達の思考の流れが見えて、興味深いです。「はじめに」でも触れられていますが、「研究者はものごとをこんなふうに見ているのか!」という目線を味わえます。
NDC 049
Posted by ブクログ
NHKの「ろんぶ~ん」という番組で紹介された論文を1冊の本にまとめたものです。この番組は全然知らなかったです。終わってしまったみたいで残念。
僕は仕事柄、食品や健康に関わるような論文をいろいろ読んでいますが、この本で紹介されているのは、アイドルや幽霊など、普通では読まないような変わった研究を中心に分かりやすく紹介しています。
食に関わる研究もいくつか紹介があり、仕事で関わったことのある先生の研究も紹介されていて、懐かしかったです。
知的好奇心を"くすぐる"ような研究がたくさん紹介されていて、良書だと思いますが、その一方で、知的好奇心が"満たされる"ほど詳しくは書かれていないです。あくまでも研究って面白いな~という入口の本なのかな?
その点が僕的にはちょっと物足りないかな~と感じました。研究の着眼点に焦点が置かれている本だと思うので、高校生の探究活動のテーマ選定のときに、こういう本を読んでいるとヒントになってめちゃくちゃいいんじゃないかな~と思います。そういうニーズがあってこの本を読んだら、間違いなく100点満点の一冊だと思います!
Posted by ブクログ
どんな人でも何かしら好きなことがあるはずです。そしてかなりの確率で、それについてもっと知りたい、研究したいと思っている事も。
たとえこの先AIが人間の仕事を奪ったとしても、好きなことの研究に時間が費やすことができるなら、幸せな世の中になるかもしれません
Posted by ブクログ
ただ単に変な論文の紹介というだけでなく、我々の身近なことにも関連している内容だし、説明も平易な文章で書かれているので分かりやすい。「アイドル」「ギャンブル」「幽霊」の章はもう少し詳しい内容も読んでみたい。
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 ラーメン
第2章 猫
第3章 漫才
第4章 アイドル
第5章 ギャンブル
第6章 食欲
第7章 幽霊
<内容>
世には様々な研究者がいて、様々な論文が挙がっている。そこに注目したNHKの番組「ろんぶ~ん」から面白いものを抜粋したもの。目次を見るとわかるが、なかなか惹かれる。いずれも真面目なものだ。巻末のMCの田村淳の文もイケている。「問いを立てられる人こそ、すばらしい!」。いい言葉です。自分の学校では課題解決学習をしているが、生徒がなかなか問いを立てられない。こんな本を紹介しつつ、まず好奇心を喚起しないといけない…。
Posted by ブクログ
ろんぶーん、という番組の事は知らなかった。
見てみたかった。残念。
Eテレって子供だけの物じゃないよね。
結構攻めてる。面白い。
田村淳さんの特別寄稿もよかった。
時系列的にはこちらが先だったみたいだけど、
母ちゃんのフラフープの方を先に読んじゃった。
淳さん自身も論文を仕上げておられるし、
言葉の重みが違うな、と思う。
官能評価学という学問が存在するのは初めて知った。
食感について学びたい、と栄養学分野に進学した娘は、ひょっとしてこういう研究がしたいんだろうか。
Posted by ブクログ
NHK Eテレ「ろんぶ〜ん」の書籍化。書籍化に当たり新しい要素はあるかなあと期待しましたがほぼ番組の構成通りで新規要素は無し。とはいえ本となりゆっくり読めるのはいいですね。
Posted by ブクログ
独学大全にて、論文は凄いぞとの記述があったので興味が湧いて読みやすそうな本書を手に取った。研究者の論文は勿論のこと、高校生物理班の副実像の研究や、大学生の震災学(幽霊の話)が印象的だった。また、猫文化の歴史、漫才ロボットの話が面白かった。
Posted by ブクログ
放送は全部見ていたが、本はイラスト中心となり、また取材者が語りかけるような文体がナレーションとはまた別の味わいを出している。
この本の見どころが最初のページに集約されているのも素晴らしい。
「すべての事物は研究されている」
「それは研究者が人生をかけるほど楽しい”知の結晶”なのです。」
逆に言えば、どんなことでも、今からでも研究対象になる、だれでも探求・研究ができるということに気づかせてくれる。
この本に記載された研究内容だって、確定事項ではない。数年すれば、または視点を変えれがいくらでも上書きされる、というのが研究の醍醐味なんだろう。
そんな本書で一番ハマったのは次の章。
「漫画『カイジ』で、「運」との向き合い方を考える」
土井孝則『「運」という物語と主体との関係』,『学習院大学大学院 臨床心理学研究』第7号,2011年