あらすじ
こんな考え方…あったのか!! 論理もデータもあてにならない時代…【マティス/ピカソ/カンディンスキー/デュシャン/ポロック/ウォーホル】20世紀アートを代表する6作品だけで「アーティストのように考える方法」が手に入る! 700人超の中高生たちを熱狂させた人気授業が書籍化!!
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Posted by ブクログ
美術嫌いの理由がわかるかも?!美術が好きになる本
◯あらすじ
主に6つのアート作品を見て、自分の持っているものの見方がいかに狭いものかということを鋭く、そして楽しく突きつけてくる本。自分がアートに対して持っていた「リアルに描いた絵が上手」「アートとは彫刻や絵などのこと」「アートでは、何が描いてあるかわかるものをかかないといけない」などの固定観念が覆され、新しい視点が頭に入ってくる面白さが痛快だった。
しかし、筆者は私たちのアートに対する固定観念を崩したいのではなく、変わりゆく世の中を生きていくために「アート思考」が必要だということに気づいて欲しいと述べている。つまり、筆者の例えを借りると、自分の興味の「タネ」からスタートし、探究の「根」を夢中になって生やして生きていくことの大切さを述べている。そして、その先に自分にしかない表現の「花」が咲いていくという。正解を求めるのではなく、自分の感じたことや考えたことからはじめ、問い続け、実践し続けることの大切なのだ。仕事や人生でも、周りの目を気にしたり失敗を恐れたりして、「正解」ばかりを追ってしまう。でも、その正解は急速に変化する世の中にあって、「正解」ではなくなる可能性もある。そんなときに大切なのが、「アート思考」なのだろう。
◯感想
いかに、ものの見方が狭いのかを突きつけられた。でも、それが不快ではなく、「確かに!」や「面白い!」と感じられた。また、自分がこれまで美術の鑑賞を「正解」を求めながらしていたことに気付かされた。それでは、美術鑑賞も面白くないよね。これからは、アウトプット鑑賞をして、自分だけの発見を楽しんだり、観る目を深めたりしてみたいなと思う。
「アーティストになるためには、『まず感じる。そして、言語化する』という順序で世界に向き合う必要がある。」自分の言葉を書き出し、人に話し、アウトプットしていくことで、新しいことに気づいたり考えが深まったりする。自分の思いや感じたことはメモで残しておきたい。そして、そこから新たな問いを引き出して考え続けていきたい。
Posted by ブクログ
自分なりの「表現の花」を咲かせるためにも、「探究の根」を広げることが大事。現代の美術教育は、この探究の根を広げる行為が、歴史や技法の知識獲得とほぼイコールと捉えられ、しかも目的化している。
著者が美術の教員ということもあり、読者が抱くであろう疑問や感想を先回りしてくれるので、セミナーを受けているような感覚で読みやすい。
美術に対するハードルを緩やかに下げてくれる。さらには、普段の仕事や生活においても「別に専門性が無くたって、まずは自分の内側にある興味に従っていいんだよ」と背中を押してくれる。
そして、感じるままにと言いつつ、デュシャンからウォーフォルといった現代美術の歩みを自然に取り入れているのがすごい。全ての教科がこんな授業だったら真面目に受けてただろうな。
一方、内容としては、一貫して鑑賞者の枠組みから論じられていた。最後にはアートという枠組みすら撤廃している。
音楽をやっている身からすると、アートは鑑賞者がいて初めて成り立つと考えていた。クラシック音楽の演奏会や一般的な美術館の展示をイメージすると、インタラクティブな芸術というのはなかなか難しい。となると、表現者としてはこの現状をどう捉えて、どう表現に組み込むのが良いのか。あるいは一方向のものと諦めるべきなのか。
そして、「伝統をつなぐためのアート」は、いったい何なのだろう。
「表現とは、模倣ではなく知覚したことの再構成。美術におけるリアルさは、必ずしも遠近法が正解とは限らない。」と本書では述べられていた。時代とともに受け継がれるものが変化していく、これもアートの形なのか。では様式美とは何なのか。
新たな疑問が湧き出てくる。
まさに「興味のタネ」を植え付けてくれる書籍であった。