あらすじ
「神聖かまってちゃん」の敏腕マネージャーとして注目を浴びる著者、劔樹人の待望の処女作。自伝的コミックエッセイである本書は、著者が2000年代初頭から東京に出てくるまでの数年間を過ごしていた大阪市阿倍野区での日々を描く。ふとしたことからハロプロのアイドルに魅せられ、そのことで出会った友人たちとの、くだらなくも夢中になって過ごした遅い青春の日々。アイドルという光に勇気づけられ、うまくいかない日々に落ち込み、友人たちと見つけた自分たちの居場所を謳歌しつつも、ひとりの友人の壮絶な死を経て「おとな」になっていく、切なくも愛おしい記憶の数々が、読者をも「あの頃。」に引き戻す。「大阪市阿倍野区で過ごしていた、あの頃。中学10年生の夏休みのような、そんな毎日が永遠に続くような気がしていた。今思い返しても、どうかしている出来事ばかりだったと思う。もう戻れない、愛しい記憶です。」から始まる、新叙情派のデビュー作にして、比類なきコミックエッセイ。
【目次】
プロローグ 北の大地に消えかけた男
物語のはじまり? ドッキドキ!CD-R
ウソをつかざるを得なかった男
恐怖! 真昼の大学祭ジャック
阿倍野連続首絞め強盗事件
接触! セクシー美女!
ドタキャンが生んだ悲劇
激突! 30男 VS 女子小学生
続・30男 VS 女子小学生 そして喫茶店襲撃!
ついに出会ってしまったあのスター
ぴったりしたい男たちのクリスマス
結成! 「恋愛研究会。」
恋愛研究会。最大の危機!
涙の武道館! 男たち東京へ
おっととっと憑依だぜ!
悲劇! 禁断の恋
公開処刑! 悪ノリ裁判所
スケベ王の栄華
立て篭りマンション、決死の突入
そして男たちは
奇跡の男
ガンガンいこうぜ
命をかけたつぶやき
男たちの長い一日
もう恋なんてしない
男の遺したもの
男子かしまし物語
あとがき
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ホモソーシャルとかインセルの弊害に非難が集まり始めるちょっと前の連載。
時代の雰囲気が思い出されて大変楽しく読んだし、泣き笑いした。マンコラム形式も内容にピッタリフィット。
女性が読んでどう思うかは、今の目線で見るとちょっと厳しいものがあるかもしれないが、現在の剱さんの芯のある優しさは、この頃のダメさ、ひどさみたいなものを通過してきたからあるものだと言うことは記しておきたい。
Posted by ブクログ
神聖かまってちゃんのマネージャーのかたの昔の話をマンガと文字とで綴った一冊。
ハロプロにはまってアイドルファンのみんなといろいろと面白いことをしたり、エロいこともなどなど青春物語です。
最後はしんみりしてしまう最後で、泣いてしまいました。
イーストプレスの方からいただきました、ありがとうございました。
Posted by ブクログ
道重卒業、ベリロスを超えて迎えた今年のひなフェス。今や、ハロプロは多幸感カンブリア紀と言えるような新しい次元に突入しているように感じます。サイリウムを振る歓び、推しを語る歓びがヲタだけのものではなく、どんどんメジャーなものになっていき、そいて滅菌されていくプロセスに立ち会っているのかも。だって自分のようなジェネレーションも恥ずかしげもなくハロプロにハマっていえるんだから。しかし、どんなにハロプロが芸能としてのメインストリームに近づいていったとしても、その本質がヲタたちの熱く、狂おしく、楽しく、哀しい、暮らしに根ざしていることは不変なのだと思います。男子は自分が、特殊で普遍で弱くて強い存在であることを同じ太陽を見上げる仲間と繋がることで知る。そう、ハロプロは社会の底が割れて自信が持てない男の子たちの太陽。「女子かしまし物語」という輝く星の裏側には「男子かしまし物語」がいつだってあるのです。