あらすじ
「近所に世界の全部がある―――」
ハダカで笑って、ゆっくり泣いて、近くの遠くまで散歩しよう。
きっと大切になる、10年の月日と17つの物語。
《収録作》
『ハダカヨメ』
ひとり裸で家事を楽しむ妻。そんな秘め事を知らぬ夫。
結婚2年目の夫婦が直面する知られざる小さな大事件。
『はっぱの人』
離婚して失意に沈む男が頭に葉っぱの生えた店員に助けを求める。
葉と愛の発生の瞬間。
『サイコンクエスト』
ママの再婚相手が現れた。決戦は誕生日。
パパを忘れられぬ子が勇者となる成長譚。
他、多数の作品を240ページの大ボリュームでお届けします。
『このマンガがすごい! 2020』(宝島社)オトコ編 第9位『パンダ探偵社の』の著者・澤江ポンプが贈る最高のユーモア。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「はっぱの人は太陽の光を浴びると、生きる力が湧いてくるんです。それがはっぱの人のメンタルが強い仕組みです」
短編集。10年分のごった煮で内容も絵柄もバラバラな一冊。噛めば噛むほど味の出るスルメ系漫画です。
悟りパパに通ずるようなちょっとイイ話もあり、良く分からんなーと思いながらもなんか読み返してしまう1ページ漫画もあり、トータルでは好きだなーと思いながらページを(画面上で)めくる。
実は先日ふと、好きだった「パンダ探偵社」を読み返していて、著者がガンの闘病で連載が中断したことを思い出し続きが読みたかったので、(あまり趣味は良くないが)その後どうなっているのかを検索したところ短編集が出ていることを3年も経ってから知ったものである。
そしてこれは全く知らなかったのだけれど、著者の澤江ポンプ氏はなんと「断腸亭にちじょう」の著者ガンプ氏その人であったのだ。
なんと、うっすら気にかかっていた人の近況をずっと追っていたとは縁は奇なりというか、同じ著者なら好きで読んでいたのも宜なるかな。好きと言いながら絵柄で気づかぬのかエセファンめと石を投げられても抗するすべもない。断腸亭で「短編集が出る」「売れないだろうが生活の足しとして出してくれるのだろう」とかなんとか言っていたのを思い出し、今更購入したものでも生活の足しになってくれればと思う。
氏は同年代なので共感できるところも少しあるのだ。
誰もが買って楽しいとはとても言えないけど、断腸亭にちじょうが好きな人には手にとって欲しい。