あらすじ
難聴を患いながらも、世界的なピアノコンクール「ショパン・コンクール」に出場するため、ポーランドに向かったピアニスト・岬洋介。しかし、ショパン・コンクールの会場で殺人事件が発生。遺体は手の指10本がすべて切り取られるという奇怪なものだった。岬は鋭い洞察力で殺害現場を検証していく!
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Posted by ブクログ
物語はワルシャワの音楽一家の息子でショパンコンクールに参加するヤンの目を通し語られてゆく。
岬洋介はコンクールに最高齢演奏者として参加。日本からは辻井伸行を思わせる盲目のピアニストも参加。その彼がコンクール会場の一室で殺害されている人を見つける。殺されていたのはポーランドで発生するテロ事件の実行者と思われるテロリスト「ピアニスト」を追っていた刑事だった。
そしてコンテストの進行とワルシャワで発生するテロや殺人事件が交錯する中でピアニスト、ヤンの成長と岬洋介による「ピアニスト」の特定と遠く離れたアフガニスタンでの人質事件の解決への関与を描くお話し。
中山七里さんの音楽への造詣にはこのシリーズを読むたび驚かされるとともに、今回はワルシャワのショパンコンクールだったので漫画のピアノの森ファンとしては懐かしく読まさせていただきました。
Posted by ブクログ
岬洋介シリーズ第4弾
(3作品目のドビュッシー前奏曲飛ばしてしまった)
テロとショパンコンクール!?
相反する舞台と思いきや
当時のポーランドで実際に起こった事件や
事故も背景にあるようなので読み応えあり。
もちろん変わらず音楽小説ではあるのですが
世界でいま起きている悲劇(戦争)を思うと
現実に音楽で戦争を争いを止めることが
できたらいいのにと、心の底から願った。
ノクターンを聴きながら読むと
ほんとに泣けてくる。いやぁ、七里さんの表現力が
素晴らしいのです、いやほんとに。
Posted by ブクログ
ショパンコンクールの進行とテロ、殺人事件発生
テロリストの正体は早々にわかりミステリーとしては今ひとつだが、ヤンの成長と覚醒、タリバンの攻撃を止めさせた岬の演奏が良かったな
出てくる楽曲に合わせyoutubeで聴きながら読むと臨場感たっぷりでおすすめです
Posted by ブクログ
前2冊よりもスケールが大きくなり、舞台はポーランド、事件は爆弾テロ、主人公もポーランド人
演奏されている音楽の描写はこれまでどおり 全然分からないけど分かる気持ちにさせてくれる
メタな視点から犯人が誰かを考えて、全然違った
最終章がエピローグかと思ったらコミックのオマケについてるような小話だった
Posted by ブクログ
面白かったけど、
ちょっと音楽の知識がないと理解が難しいかな。
岬シリーズを読んだのは二作目。
ポーランドのショパンコンクール中、
テロ爆破事件に巻き込まれる岬と
ポーランド出身のコンテスタントのヤン。
テロの恐怖に打ち勝ちながらコンクールに進み、
最後は成長した姿でコンクールを優勝する。
ただ、あまり最後にどんでん返しがあるわけでもなく、
テロ首謀者の工夫があるわけでもなく、
そのまま終わってしまった感じがする。
何かを得られるわけではなく、驚きもなかったのが残念。
ストーリー自体は面白かった。
Posted by ブクログ
岬先生の出番が少なくて少しガッカリ。
でもヤンが慕ってたカミンスキーが黒幕だったなんてヤンの気持ちを考えると悲しかった。
・「ミスがあるのは仕方がない。しかしミスを放置するのは望ましくない」
・像を見上げる。二百年前に生まれ、ポーランドを愛し、数多の音楽と心臓だけを故国に残した男。その顔は微笑しているようにも、哀しんでいるようにも見える。
・ベートーヴェンを難なく弾きこなした者がショパンを弾くとたちまちアラを出し、ショパンを見事に弾ききった者は他の作曲家の曲も完璧に弾いてしまうという事実だ。言い換えればショパンを完璧に弾くピアニストは如何なる曲も完璧に弾ける。ショパンを聴くまでその才能に評価を下すのは待て、という言葉さえある。ショパンの曲のみを審査対象とするショパン・コンクールの入賞がピアニストにとって最高の権威であるのはそういう理由だ
・彼の魂は常にポーランドと共にあった。彼の作る曲は故国への望郷と愛情の念で彩られている。
・これが岬のピアニズムの麻薬性だ。どんなに身構えていても、どれだけ拒絶しても、いったん音を耳にすると否応なくその世界に引き摺り込まれ、後は岬の意のままにされてしまう。
・『アースィフ・アリー・ザルダーリ大統領です。ショパン・コンクールのファイナリスト、ヨウスケ・ミサキ。このメッセージを見てくれているか』 突然出てきた岬の名前に口が開いた。『君には礼を言わなくてはいけない。二十日のことだ。アフガニスタン領内でパキスタン市民二十四人がタリバンの人質になっていた。そして救出を依頼したアメリカ軍が敵の攻撃に手をこまねいている時、君の演奏するショパンが戦場に流れたのだ。たった五分間の演奏だった。しかしその五分間、砲撃も銃撃も一切止んだ。あのタリバンがそのピアノの旋律が流れているうちは一発の弾も撃たなかった。そう、ただの一発もだ。お蔭で二十四人の人質はその隙に乗じて脱出することができた』 大統領の語尾が微かに震えていた。
・ミサキよ。コンクールの審査員たちは君に何も与えなかったと聞いた。だが君のピアノは我々に奇蹟をもたらしてくれた。君の奏でたノクターンで二十四人もの命が救われたのだ。審査委員たちが与えないのなら我々が君に感謝と栄誉を与えよう。本当にありがとう、ミサキ。君の音楽がいつまでもショパンの魂と共にあることを願う。最後まで見ずにヤンは今来た道を引き返した。
Posted by ブクログ
これまでのシリーズと同様、音楽が好きな人間としては音楽の話としても楽しめるし、ミステリー的な、続きが気になる感じもあって楽しく読んだ。一方で、やっぱりこれまでと同様、動機とやってることのスケール感が微妙に合わない感じは否めなかった。
Posted by ブクログ
主人公ヤン・ステファンスがテロで緊張をしたポーランドでショパンコンクールの第一位を目指す中事件が勃発本書の圧巻は演奏描写は物語の主旋律でもあり、特にコンクールエントリー者の演奏シーンを執拗に描く事で読者は圧倒される
鍵盤に触れる瞬間、ショパンの旋律が会場を満たし、彼の緊張と情熱が音色に滲む、主人公の心情らコンテストの盛り上がりと同調、音の強弱やテンポの変化を細やかに描き、主人公の心情を音楽で可視化している
本作の魅力は、ショパンの調べが単なる背景ではなく、登場人物の内面や真相解明の鍵として機能する点にあり、音楽が紡ぐドラマは、ミステリーの枠を超え、芸術と人間性の交差点を描き出す傑作だ・・・作者が音楽の素人だというドンデン返しが一番の見どころ