【感想・ネタバレ】2100年の世界地図  アフラシアの時代のレビュー

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Posted by ブクログ

2100年には、地球の人口の80%はアジア、アフリカになるらしい。それもアジア40%、アフリカ40%ということだ。
今後の世界はアジアとアフリカの動向に左右されることが多くなるのだろう。中国の「一帯一路」構想は、うまく未来を先取っている。欧米の役割も変わるしかないし、変わって欲しい。では日本の役割は何か? ちゃんと考えている政治家もきっといるよね?

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2022年09月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
第1部  2100年の世界地図
 第1章  22世紀に向かう人口変化
 第2章  定常状態への軟着陸
 第3章  新たな経済圏と水平移民 
第2部  後にいる者が先になる
 第4章  ユーラシア大陸の接続性
 第5章  大陸と海のフロンティア
 第6章  二つのシナリオ
第3部  アフラシアの時代
 第7章  汎地域主義の萌芽
 第8章  イスラーム
 第9章  「南」のコミュニケーション
 終章   共同体を想像する

<内容>
人口動態の変化やそれに伴う産業構造の変化に注目して、これから100年先の世界を想像し、どのようにして行けばいいのかを考える本。「アフラシア」とは、これからの100年で人工的に、産業的に伸びていくアジアとアフリカのこと。他の本やネットに書いてあった通り、例えばネット環境は、今までの有線の時代は、インフラに金がかかるためアフリカなどはとても遅れていたが、無線の時代(wi-Fiの時代)は、インフラに金がかからないので、アフリカの若者は、日本以上にスマホなどを持っているし、これは通話よりもコンピュータとして使っているので、これからの数十年で、日本を簡単に追い抜いていくだろう。中国は袖にそこに注目していて、アフリカに多くの投資をしている。欧米は人口的に大きく後退していくので(日本も含めて)、世界経済の主流は「アフレシア」になる。著者は、そこを含めて「世界一体」を想定して、いろいろなことを考えている。言葉や思想、国の体制など。新書でその辺は簡単な記述に終わっているが、一国の覇権とか考えるよりも、世界一体の発展の方が絶対に地球の未来に優しいはずで、SDG´sとかを考える際にも役立つだろう。

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2020年04月18日

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★3.7(3.00)2019年8月発行。100年後の22世紀、世界人口は100億人、そのうちアフリカとアジアの人口が4割ずつを占めるという。そして、アフリカとアジアを単一の地域アフラシアとして、政治、経済、宗教、言語がどうなるかという未来予測。大学院の先生が書いただけあって、かなり学術論的な内容ですね。でも、一般の人からみても、100年後の世界が、今とは大きく変わるということはよくわかる。筆者の独創的な内容もあるが、22世紀はアフラシアの時代というのは、間違いない事実。さて実際はどうなっているかですね。

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2019年12月15日

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2100年には全世界の人口は110億人になり、アジア47億人に対しアフリカ44億人とほぼ並ぶという内容。

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2019年11月23日

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峯陽一(1961年~)は、南部アフリカ経済論を専門とするアフリカ地域研究者・国際関係学者で、同志社大学教授。
本書は、2100年には、アジアとアフリカの人びとが世界人口のおよそ4割ずつ、合計8割を占めるという予想に基づいて、2100年に世界はどうなっているのか、どうなっているべきなのか、また、その世界の中で日本の位置付けはどうなっているのか、どうなっているべきなのかを予測、検討したものである。
21世紀最初の年(2001年)の世界の人口は約62.2億人で、うち、アジアは37.8億人、南北アメリカは8.5億人、アフリカは8.4億人、ヨーロッパは7.3億人、オセアニアは0.3億人である。ところが、国連経済社会局人口部の予測によると、21世紀最後の年(2100年)には、世界の人口は111.8億人に増え、そのうち、アジアは47.8億人、アフリカは44.7億人、南北アメリカは12.1億人、ヨーロッパは6.5億人、オセアニアは0.7億人である。即ち、今から100年も経たないうちに、アジアとアフリカが世界人口のおよそ4割ずつ、合計して8割を占めるようになっているのである。
本書では、まず、上記のアジアとアフリカを中心に世界の人口動態について、その予測の確からしさを含めて、検討している。そして次に、アジアとアフリカ(著者はこの2つを括る地理的概念として、歴史家A.トインビーがかつて使った「アフラシア」という言葉を採用している)の歴史と社会経済を概観し、現代においては、経済成長の重点が西方から東方へ回帰しつつあることを指摘し、次いで、アジアとアフリカの国際関係と文化について論じ、最後に、アフラシアという共同体の可能性について述べている。
上記の展開の中で、マルサスの『人口論』、ローマ・クラブの報告書『成長の限界』、サミュエル・ハンチントンの『文明の衝突』、ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』など、様々な学者の文献が引用されているが、私が強く関心をもったのは、
ドイツの経済学者A.G.フランクの「1400年頃から1800年頃までの4世紀にわたり、世界経済の中心はアジア、とりわけ東アジア、なかでも中国であり、西洋は東洋にぶら下がる周辺部だった」(『リオリエント』(1998年))、米国の経済学者ケネス・ポメランツの「西洋が単独で成長する「大分岐」のプロセスが始まるのは18世紀からのことにすぎず、それ以前は東と西の先進地域、すなわち中国の長江デルタとイングランドは双子のようだった。その後、後者だけが劇的な産業革命の時代を迎えることができたのは、本質的には偶然の結果に過ぎない」(『大分岐』(2000年))、イタリアの経済学者ジョヴァンニ・アリギの「東洋世界とりわけ中国こそが内発的で自然な(アダム・)スミス的経済発展の径路をたどったのであり、西洋世界の方は、軍事力と対外貿易に依存する不自然な発展径路をたどった」(『北京のアダム・スミス』(2007年))などに見られる、西洋の方が本質的に優れていた、あるいは東洋は西洋のモデルからの逸脱だったと主張することは不適切だという考え方が、学術の世界で広く受け入れられるようになってきているということであった。
今後アフラシアの人口が増加し、世界におけるその位置付けが高まっていくであろうことは、直感に合致しており、違和感なく読み進めることができるが、そのアフラシアが、如何にして外にも内にも敵を作らない温和な共同体となっていけるか、日本はそのために何ができるか、考えを深めていくことが最も大事なのだと思う。
(2019年10月了)

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2019年10月27日

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