【感想・ネタバレ】BIG NINE~巨大ハイテク企業とAIが支配する人類の未来~のレビュー

あらすじ

巨大9社のAI開発競争は何をもたらすのか? 多様性のない、偏った “AI種族(トライブ)”に開発を委ねるリスクとは? 民間に丸投げの米国、国民を管理するために、そして世界の覇権を握るために戦略的にAIを開発する中国――米中AI戦争の恐るべき結末とは? 未来学者が描く3つのシナリオ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

著者のSXSWでの発表が面白くて手に取った本。生成AIの登場前にこれだけAIがもたらす脅威について予測できたのがすごい!G-MAFIAにゆだねて国家としての戦略を持たないアメリカと、国を上げて開発に突き進む中国の一騎打ちの構造は今でもあまり変わっていない。前者は短期的な利益回収のためにデータのバイアスや倫理的配慮は二の次、後者は生産開発のプロセスでちょいちょい手を抜く。ANI →AGI→ASIと進化する中で彼らのプロダクトが今後どんな影響を及ぼすのか…ディストピアな未来しか見えない。

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2024年06月16日

Posted by ブクログ

AIの簡単な歴史から説き起こし、現在はGAFAとIBM、マイクロソフトの米国6社、それに中国のバイドウ、アリババ、テンセントの3社、計9社がビッグナインとしてその先導役を努めていて、今後もその傾向は続くだろうとしている。そしてこの9社主導の傾向を放っておけば、それぞれが勝手な方向に進んでAIの将来は収拾がつかなくなる、というのが著者の問題意識だ。AIの将来像は、今後の対応によって3つのシナリオが考えられるとし、最善の方向はビッグナインのみに任せずにもっと国家が関与を強めると共に、国際的な機関による倫理を重視したコントロール体制を敷くことであるとしている。この様な論拠に立つAI論は特に独自のものではないが、この本では今後のAIに囲まれた我々の未来像がかなり具体的に記述されているので、その点では興味深く読むことができた。それにしても、今の米国人は中国をかなり敵対視していることが、この本から窺われる。

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2020年02月29日

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