あらすじ
腹黒な年下カレシに翻弄される甘きゅんエロス
「リコさんのせつながってる顔、好き。大好き」
お嬢様育ちのリコに告白してきたのは八代くん。
無邪気な年下なのに、大人びた顔も見せる男子。
初めてのHではがっつり貪ってきて狼みたい。
ふたりきりの旅行ではとろとろに舐められて。
まるで少女マンガみたいにラブラブな毎日。
……なのにある日、一方的に別れを告げられ!?
失恋のさなか、親が決めた相手との縁談が。
婚約直前、なんと八代くんが乱入してきて……!
ちょっとワルい年下狼が一途な恋に目覚めました!
★電子書籍特典は番外編ショートストーリー★
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
お嬢様育ちのリコと、どこか掴みどころのない年下の八代コウ。
学校ではチャラく見えるのに、ふとした瞬間に見せる大人びた瞳。
年下のくせにリードが上手くて、初めての夜も旅行もすべてが甘くて眩しい。
そんな“少女漫画みたいな恋”をしていたはずが、
ある日突然、何の前触れもなく別れを告げられてしまう。
泣いても届かない恋。けれどリコの心には、確かに彼の言葉と温もりが残っていた。
そして時が経ち、親が決めた婚約の席。
もう忘れるしかないと思っていた彼が、まさかの場所に現れて。
タイトルの“嘘”が明らかになるその瞬間、
彼の隠してきた想いと過去が一気に溢れ出します。
コウは一見、軽くて腹黒い年下男子だけど、
実際は想像以上に繊細で、痛みを抱えた青年。
リコを傷つけたくなくて、自分から嘘をつく不器用さが切なすぎました。
目的から始まった関係なのに、気づけば本気で恋をしていた――
その葛藤が、彼視点ではより強く伝わってきて胸がぎゅっとなります。
恋愛ものとしてはかなり大胆な設定(※血縁要素を含む)ですが、
それをただの“禁断”としてではなく、
人を好きになることの痛みと純粋さとして描いているのが印象的でした。
草野來さんらしい、エロスの中に確かな情がある筆致が光っていて、
濃密な描写も決して下品にならず、むしろ“愛の証”として美しく感じます。
コウの歪なまでの愛情表現も、リコのまっすぐな優しさも、
読んでいるうちに「このふたりに幸せを」と願わずにいられませんでした。
社会人編で再び交わるラストは、ようやく報われた安堵感と共に、
「本気の恋は嘘では終わらない」というメッセージが静かに響きます。
そうくるか⁈
草野さんの書く人間って複雑だなぁ。今回は高校生の恋愛ものかと思ってたら、読み進んで行く内に可愛らしいお話ではないことが判明。さらに、え、えっ!?となり、頭が混乱し、人間関係をおさらいするために、ページを行ったり来たり。おっおー、そりゃ、草野様だもんな。簡単な訳ないわな。