あらすじ
95歳の母が認知症に。「徹子の部屋」「爆報!THEフライデー」出演で大反響を呼んだ、家事未経験からの自宅介護、涙の手記!
父をシベリア抑留で亡くし、三歳のデビューからずっと一緒だった"一卵性母子"を突然襲った、地獄のような日々。
「敬愛していた母が、見る影もなく変わっていく......。それはまさに崩壊だった」「母はまだ、私を守って戦いながら生きているのだろうか。背も縮んで小さくなってしまった母が荒れ狂う姿を見ると、本当に本当にかわいそうになる。」(本文より)
名子役として一世を風靡(ふうび)し、お湯もわかしたことのなかった歌手・タレントが、「絶対ムリ」と言われた自宅介護をやり通した3年間の記録。
「介護は下手だけど愛情だけはこもってる」「私しか眼に入らない溺愛の母は、どこかねじ曲がった親子だったけれど、ここまでなんとかやってきたのだ。概ね良好、良しとしなければ。完璧なる親子像なんてない。人それぞれなのだ。」(本文より)
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Posted by ブクログ
エピソード自体は面白いが、話があちこち飛ぶ。
もう少しじっくり読みたかったエピソードが多かったのに、途中で話が変わってしまう。
「ホームレスさんこんにちは」と比較してそこが残念だった。
例えば
戦後史編でお父様の事と、お姑さんとの確執を抱えながらの子役時代、
夜明け前編でお母様の介護をしながら仕事をしていた間の事、
カミングアウト編で徹子の部屋で話をした時の感情と、それからの経済や生活の立て直し、
現在編で今のお母様との生活、
のようにして、話題を混ぜないで欲しかった。
興味深かった挿話部分について。
満洲引き揚げ時、ソ連軍の略奪があり、「マダム・ダワイ!」と毎夜叫ばれ、慰安所を作ったこと。
防波堤になってくれる女性たちに対する申し訳なさ。
守られる側の女性達が、一張羅をその女性達に贈ったこと。
その後、シベリアで獄死した父を探してソ連へ行ったこと。
卒塔婆を埋めるために地面を掘る時「遺骨か何か出ないか」と願いながら掘ったこと。
不思議そうに見ていた村民たちが手伝ってくれたこと。
「戦争で同じ哀しみを背負った女性がここで会った」
という村長のスピーチと、「草原(異邦人)」の合唱。
「ああシベリア」での名簿引き渡し中止の無念。
「戦争は女の顔をしていない」の後だからか、興味深かった。