【感想・ネタバレ】自分を知る力 「暗示の帽子」の謎を解くのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

冒頭にある「帽子の国」の話に心打たれて買って読んでみたが、かなり面白かった。

「帽子の国」の人々は皆様々な帽子を被っている。その帽子は「暗示の帽子」と呼ばれるもので、それを被ると誰もが帽子の暗示する考えや行動に従ってしまう。例えば「お金こそ全てで至上」という暗示の帽子を被っていると、お金が全てと思い、お金に執着してしまうようになる。「世界は悪意に満ちている」という暗示の帽子を被ると、その人は世界に対して良い面よりも悪い面しか見出せなくなってしまう。

私たちの周りには何かに取り憑かれたような考え方や偏ったモノの見方をしてしまう人がいる。そういった人たちは皆この「帽子の国」の話で言う「暗示の帽子」というものを被っており、本当の自分というものを見失っている「偽我」の状態にあるという。本書はそういった人たちが暗示の帽子を脱ぎ捨て、本当の自分に近づきつつある状態「善我」になり、最終的に本当の自分「真我」を取り戻すためにはどうすれば良いのかを説いた本である。

人の魂の三つの状態「偽我」→「善我」→「真我」、受発色、3つの「ち」(血・地・知)、物事への捉え方:快系・苦系、物事への取り組み方:暴流・衰退、など仏教をベースとした様々な聴き慣れない言葉が出てきて、かなりスピリチュアルな本ではあるが、人の心に関して独特で興味深い見方を示している本であった。

本書では自分がどのようなタイプの受発色を持っているか(快系・苦系、暴流・衰退)を測るテストがあり、実際にやってみた結果、私は「苦・暴流」(物事の否定的な面を慎重に受け止めて攻撃的な対処をするタイプ)と「苦・衰退」(物事を悲観的に受け止めて控えめで抑制された行動をするタイプ)の二つが強かった、つまりマイナス思考であるらしい。ただ本書では、快系(ポジティブ)であればあるほど良い、と言うわけではなく、快系・苦系、暴流・衰退のどの受発色にも長所と短所があり、暗示の帽子を被っている「偽我」の状態だと短所の部分が出やすく、逆に本当の自分に近づいている「善我」、本当の自分「真我」の状態だと長所が出るようになるという。

例えば私の場合、苦・暴流は「勇気ある正義漢か、恨みの強い被害者か」、苦・衰退は「ひたむきな求道者か、諦めに縛られた卑下者か」と言われていた。確かに当たっている気がした。長所と短所は表裏一体、本当の自分を取り戻して長所をよく出せるようにしていかないといけないと思った。

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2019年12月28日

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