あらすじ
ベランダで始めた園芸。ドラゴンフルーツ、朝顔、薔薇、ゴーヤーetc.。花がある側は「ナオガーデン」、食べられる植物がある側は「ナオファーム」。「虫のかじったあとを見て、地球の形もこんな風に変わってきた、と想像する」。ベランダは世界のミニチュア。書き下ろしエッセイ「そのあとのていたらく」を新たに収録。
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Posted by ブクログ
2024.06.追記:
この本くらい抜け感がありつつ充足感ある本はなかなかまだ見当たらないかも。
2023.感想
この本はとても読みやすい導入で、初日に一気に半分まで読んでしまった。植物との出会い、育て方、組み合わせ方、間引き方、それに対する想いなどエッセイとして追体験と、教えてもらえるような感じがした。
中文、ナオコーラさんは世間の声や見え方を気にされるのだな、という文章が所々に見られたが、それでも、振り絞るように本音を書き残してくれていて、代弁してくれているような気持ちと、本を読むからには出会いたかった本音が少し見えたのがよかった。
個人的には、「ゴミ」という言葉が好きということ(没案が出来ても肯定が出来るし)、「借景」で引用されている百合子さんの文章が心に残る。
最後の章に向かうにつれ、美しくも悲しく、悲しくも美しい園芸との距離感が描かれていく。人生の、機を選んでくれない感じが、描かれている本の世界の幅を広げているように思う。自分も、近所に川があり散歩をするのが好きだ。また、長野に行った時、山が雄大と聳え立つことに安心をする。自分以外の時の流れがある、ということに安心する。この人もそう思っていたのだ、自分と同じことを感じて生きている先輩がいるのだ、ということが知られて心が広くなる感じがした。
園芸の話から、生きることに緩やかにつながっていく魅力があった。