【感想・ネタバレ】ベランダ園芸で考えたことのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

この本はとても読みやすい導入で、初日に一気に半分まで読んでしまった。植物との出会い、育て方、組み合わせ方、間引き方、それに対する想いなどエッセイとして追体験と、教えてもらえるような感じがした。

中文、ナオコーラさんは世間の声や見え方を気にされるのだな、という文章が所々に見られたが、それでも、振り絞るように本音を書き残してくれていて、代弁してくれているような気持ちと、本を読むからには出会いたかった本音が少し見えたのがよかった。
個人的には、「ゴミ」という言葉が好きということ(没案が出来ても肯定が出来るし)、「借景」で引用されている百合子さんの文章が心に残る。

最後の章に向かうにつれ、美しくも悲しく、悲しくも美しい園芸との距離感が描かれていく。人生の、機を選んでくれない感じが、描かれている本の世界の幅を広げているように思う。自分も、近所に川があり散歩をするのが好きだ。また、長野に行った時、山が雄大と聳え立つことに安心をする。自分以外の時の流れがある、ということに安心する。この人もそう思っていたのだ、自分と同じことを感じて生きている先輩がいるのだ、ということが知られて心が広くなる感じがした。
園芸の話から、生きることに緩やかにつながっていく魅力があった。

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2024年03月30日

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