あらすじ
数々の逸話を残す史上屈指の陰陽師、安倍晴明。その晴明が、もし女性だったら――。
法師陰陽師として、自由気ままに暮らしていた若き晴明。久しぶりに都に戻ってくると、師匠の賀茂忠行が急に体調を崩してしまう。大内裏で何か起きていると気づいた晴明は、自らを男と偽り、宮中に入り込むのだが……。
陰陽道の師・忠行。兄のような賀茂保憲。晴明に寄り添う妖狐・雨暗。生意気な天才・蘆屋道満。そんな平安の優男たちとともに、女・晴明は怪異に挑んでいく。
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Posted by ブクログ
安倍晴明が女性だったということより、彼女の実年齢の方に驚いてみたり。
実際の年齢は出てこないのですが、想定より年食ってそう。
それでいて、無意識・無自覚に男性・女性問わず魅了していくという。
恐るべし。
割と恋愛フラグが立つのですが、彼女が無自覚ゆえ全く靡かないので男性陣が不憫で仕方がなかったです。
だって彼女がどぎまぎするのは彼だけでしたしね。
そこがまたおいしかったです。
晴明のライバルといえば蘆屋道満ですが、彼のキャラ設定は晴明より奇抜で驚き度は上だったかなあ。
ビジュアルもさることながら、頭いいのにうっかり度合いが凄い。
愛すべき馬鹿みたいな感じで。
凄いといえば、晴明の胸を問答無用で鷲掴みにした安子さまも凄いし(しかも2回も)
キャラ設定が色々ぶっ飛んでいて読んでいて面白かったです。
そういう意味では確かにキャラクター小説なのですが、解決すべき怪異に関しては、しっかりミステリ仕立てとなっていて、伏線も細かく用意されていたので、真相が明らかになった時にも随分驚きました。
確かに今ある情報を突き合せれば見えてくる真相でしたが、自分は全く気が付かず。
キャラ小説と思って読むと、うっかり足元をすくわれる、割と本格仕様のお話でした。
それでも、キャラクター設定はぶっ飛んでますけどね。
コメディかと思うほど。
だからこそのギャップが楽しかったです。
油断せず読んでほしい作品です。