あらすじ
SNS社会で異彩の存在――AV女優・戸田真琴、書き下ろし処女エッセイ。
「note」に投稿した「SNSで死なないで」は18万ビュー、
同じく「Twitterをやめます。」は63万ビューを記録し大きな話題に。
さらには朝日新聞論壇時評面で取り上げられるなど、いま最も注目を集める彼女。
格差社会の拡大、未来への薄暗い不安、ただなんとなく日々苦しい……
本書は、そんな押しつぶされそうな現実の中で、戸田真琴が贈る孤独賛歌。
ほのかに残る温かい幼少期の記憶から思春期を経て大人へ――今まで本人の筆で語られてこなかった生い立ち。
それは、ごく普通の環境だと思っていた家庭と本人が成長するにつれに確立されていく意志のズレだった。
新興宗教の集会、婚前交渉を厳しく禁止するお母さん、家族を守ると言っていたはずのお父さん、いじめの末に引きこもってしまうお姉ちゃん……。
幸せだったはずの少女は何故、処女のままAVデビューを決意するのか。
AVデビューするも右も左もわからず悪戦苦闘。
良かれと思ったことが裏目にばかり。二度とやりたくないハードな撮影も。
どうして上手くいかないのか――AV女優業から学んでいったことを生きるヒントに。
SNS社会に引き裂かれる私たち。ひとからの承認・羨望・愛情が欲しい。
どうしたらこの息苦しい世の中で心からの安息を得ることができるのか。
世相を独自の視点から眺め、本当は誰しもが抱える「孤独」を見つめなおし、むしろ愛でることをすすめる。
ひとりぼっちを恐れず、むしろを胸を張るために。
電子版特典として、紙本未収録の撮り下ろし写真を大増量!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
友人から借りた本。
以前から戸田真琴さんが気になっていて貸してもらった。咀嚼し、読者に届くようフィルターで漉し出された丁寧で親切な文章だった。あまり人を「優しい」というひとつの言葉で言い表すのは好きではないが、ほんとうに戸田さんは優しい。戸田さんが製作した映画「永遠が通り過ぎていく」も見てみたい。
Posted by ブクログ
''孤独''を軸とした、戸田さん自身の生い立ちを元にしたエッセイ集。
私は女だが、彼女の言葉が大好きで、その真っ直ぐな生き方に大賛成している。彼女自身が、彼女の思考が、どのようにして形成されたのかが分かる、とても素晴らしい1冊。
Posted by ブクログ
YouTubeの街録chの戸田真琴さん出演回を興味本位で見たところ、考え方や価値観のあまりの素敵さに衝撃を受け、ブログやコラムを漁りました。
弱った時、どうしようもない時や人生そのものを支えてくれる文章なんだろうなと思いました。
Posted by ブクログ
生い立ちも環境も世代も性別も選択も違うのに、人や物事に対しての広いスタンスにとても共感できた。
もしあなたが「自分の思い通りにならない」「誰も助けてくれない」ことに悩むだけでなく、「まあ当たり前だよなあ」とも感じているなら読むべき良著です。
Posted by ブクログ
優しさの正体は、想像力
一人一宇宙、他人と価値観はそうそう合わない
他人は宇宙人なので、コンタクトを取るのには周波数を合わせるコツが必要
SNSは不特定多数の周波数を合わせるのに疲れやすいから、距離感を考えよう
SNSが自分を幸せにしているか?という判断軸を自分に取り戻そう
宇宙人に興味を持ち、リスペクトを持つこと
そうすれば完全オリジナルである、あなたも私の孤独も美しいアート、生き様である
理性は自分や他者を傷つけないスキル
席を譲る、譲らないなどを選択するのには躊躇するものだ
答えなどないのなら、ありたい自分に沿って行動するべき
永遠欲しがり病
嫌な人に先に挨拶できたら、どこへ行っても生きていける。
あなたがこれからの時代を生き抜くための必須能力は、 語学力ではない。 挨拶できる力だ。
嫌な人に嫌な態度で返すと、あなたが嫌な人になる。
Posted by ブクログ
戸田真琴さんは元々好きだったが、この本を読んで芯が強い素敵な方だと改めて思った。
他人と比べずに、自分の指標で物事を捉える姿勢は参考にしたい。
Posted by ブクログ
自分がAV女優という存在に偏見を持っていたことに気づかせてくれました。お恥ずかしいです。
なんと言おうか、優しい哲学だなあと思います。
語り方が、もう優しい。
尊敬します。
Posted by ブクログ
ネットで読んだ戸田さんのコラムに惹かれ、この方のエッセイ本が出ていればと思っていたら刊行されていた。
封入されていたチラシを見る限り、『特異な人生経験を積んできた女性タレントが自身の経験をもとに人生指南を与える自己啓発系エッセイ』として展開されている感が否めないのだけれど、可憐で愛らしい彼女のビジュアルや職業などの先入観に捉われず、より多くの人に届いて欲しい本だった。
特異な家庭環境で育った中で真っ直ぐな強さとひたむきさと人を、自分自身を大切に思う気持ちを育んできたことが真っ直ぐに伝わる。
表現力の鋭さ、豊かさ、感情をあらわにしていく言葉の凛とした美しさに心を打たれた。
個人的には寺尾紗穂の「彗星の孤独」と並ぶ名エッセイ。
Posted by ブクログ
タイトルだけで百点満点。中身は更にそれを裏切らない素晴らしい内容。クレバーで強くて優しい。筆者はこれからも色々なクリエイティブで活躍することを確信。
Posted by ブクログ
元AV女優による"孤独"についてのエッセイ。自らの幼いころの体験を振り返りながら、なぜ孤独を全肯定するのか、一語一語噛み締めるように綴った文章が美しい。とかく人との繋がりが価値があるとされるSNS時代に、自分自身の大切なものを見直すきっかけをくれました。
Posted by ブクログ
自分自身と非常に生い立ちが似ており、他人事とは思えなかった。
思考が深すぎるがゆえの孤独。私が「この考えを外に出したら傷付けてしまうだろうか」と思ってSNSでも表現できなかったことも言葉にしており、自分を貫く覚悟があるから書けた本なのかな、と思った。
Posted by ブクログ
彼女のコラムを読み、震え、しばし寝れない夜を過ごしたのをきっかけに、本書を手に取ってみた。
賢明さと優しさを併せ持つ人なのだと思う。
ふと気になって出演ビデオを見てしまった。
そこには文章から窺える彼女の賢さは見えず、AVというものが、性の消費でしかないことを思い知らされてしまい、少しやるせない気持ちになった。
彼女が納得してこの仕事をしていること、性コンテンツが誰かにとって必要で時に救いになることも理解しているはずなのに、やはり悔しさを感じてしまう自分もいる。
セックスに対しての恐怖心、疎外感が私にあるので、AVを否定をしたくなってしまうのかもしれない。
脱線してしまったけど、純粋にこの本の評価をするのなら、著者の考え方が自分と感性や価値観が似ていて、私という人格を見つめ直し、認めてあげることに役立った。
自分の生き方や考えに迷いが生じたら彼女の言葉に頼りたいと思う。
人のことをうまく愛せなくて、打ち明けられない悲しみを抱えていても、その代わりに自分を可愛がって愛してあげたいなと思えた。