あらすじ
ラグビーW杯2019
桜の証言。
World Cup CLIMAX
[決勝戦詳報]
南アフリカ×イングランド
使命感が奏でた凱歌。
[GORO'S EYES 決勝編]
五郎丸歩「ラグビーの常識が覆された80分」
[南ア初の黒人主将]
シヤ・コリシ
「ラグビーは重圧になどならない」
[デアレンデ&PS・デュトイ独占直撃]
南ア代表、ジャパンを語る。
[プロフェッショナルの視点]
イングランド、4年後への大いなる期待。
[3位以上の存在感]
オールブラックスの謙虚さは諸刃の剣。
[独占インタビュー]
ダン・カーター
「なぜ我々は敗れてしまったのか」
[フォトエッセイ]
楕円球の幸福。
[現役選手が選ぶ&描く]
実はコイツがスゴかった!
The Voice of Brave Blossoms
[スペシャルメッセージ]
拝啓、リーチマイケル様。廣瀬俊朗
[独占インタビュー1]
福岡堅樹 「必然」が凝縮された運命のトライ。
[独占インタビュー2]
田村優 W杯、遊んじゃいました。
[独占インタビュー3]
堀江翔太 悔しさよりも安堵感。
[独占インタビュー4]
稲垣啓太 弱い姿は見せられない。
[独占インタビュー5]
田中史朗 「おめでとう」が「ありがとう」に。
[独占インタビュー6]
松田力也 4年後の10番を着るために。
[スペシャルギャラリー]
松島幸太朗/姫野和樹
ピーター・ラブスカフニ/流大
[桜の戦士の家族愛]
中島イシレリ/ヴァルアサエリ愛/レメキロマノラヴァ
日本人妻が語る素顔。
[深層ドキュメント]
ジェイミージャパン、地図のない冒険。
[W杯を解きほぐす]
糸井重里×中竹竜ニ
「日本のラグビーは言葉で勝った」
[発掘ノンフィクション]
マツシマを止めろ!
全試合完全リザルト
プール戦/ベスト8/準決勝3位決定戦/決勝
プール戦ベストゲーム
A:日本×スコットランド
B:ニュージーランド×ナミビア
C:フランス×アルゼンチン
D:フィジー×ウルグアイ
[コラム]
1.「データで振り返るW杯日本大会」
2.「急増したレッドカード」
3.「識者8名の勝手にベスト15」
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Posted by ブクログ
「桜は同じ周期にその蕾を咲かせる。また会おうブレイブブロッサムズ。」
文藝春秋社より発行されている総合スポーツ雑誌「Sports Graphic Number」の増刊号、「Sports Graphic Number PLUS December 2019」です。
事前のそこはかとない不安も何のその、日本中に一大ムーブメントを巻き起こすハッピーエンドで幕を閉じたラグビーW杯2019日本大会。観客動員数、視聴率、その他もろもろ予想を遥かに上回る反響ぶり。「全員玄人」状態のラグビー界でにわかファンの存在が取り沙汰されるなんて夢にも思いませんでした。
表紙を捲るとカマされる”笑わない男”の相貌に思わず冊子をノックオンしそうになる本誌は大会総集編。決勝レポを皮切りにジャパンの回顧録、仔細な論評やノンフィクション、ミニレビュー付の全試合記録集等々…。ラグビー熱に浮かされた者ならばマストな一冊となっています。
先ずは余韻生々しい決勝レポ。冗談抜きで岩だった南アの強さを歴史から、すっかり論客ぶりが板に付いた五郎丸歩の視点から紐解くゲームレビュー。「モノがちげぇわ…」と唖然とさせられた強さも「用兵がスマートだった」との指摘を受けると「…ジャパンもイケるんじゃね?」と思わされてしまうから不思議です(?)。
また印象的だったのが日本戦について語るボクスのキーマン・デアレンデとデュトイの2人。写真と言葉の節々に滲み出る「気は優しくて力持ち」を地で行く好漢ぶり。終始お騒がせだった某英傑様には日本流しきたりに倣い彼らの爪の垢を煎じて飲んで頂きたい位です。
大特集は「桜の証言」。結果も歩みも最高だったジャパンの5戦を回顧する6人のインタビュー、喜怒哀楽が蘇り気付けば手に汗を握る。…正直、31人全員の証言が読みたかったのが本音ではありますが、流石にそれは無理な注文か…。
全ては準備の結果であると切々と語る(一抹の後悔に翻意は…無いか)福岡堅樹、良くも悪くも目立ってたけどフランクで憎めない田村優、ワイルドだけどクール、そしてユーモラスな堀江翔太、不遜な佇まいとはかけ離れた丁寧な語り口の稲垣啓太、実直に次を見据える松田力也。リーチが掲げた「多様性こそジャパンの強み」を証左する、個性豊かな支柱たち。
そして田中史朗…。蕾咲かせた花咲かフミさんとつぶさに見ていた男の回顧。ブライトン以前も以後も真っ只中にいた繊細な巨人は、「君が代」における観客の斉唱に最もジャパンを取り巻く空気の変容を見る。
曰く、「今回はたしかに聞こえました」と。
「あのとき、日本が変わったと実感しました」
ただ、終わってほしくなかった。
多分、勝てない。何も出来ないかもしれない。本気のボクスに戦う前から萎縮した。
ただ、終わってほしくなかった。夢の続きが見たかった。決勝でも3決でもぶっちゃけどっちでも構わないから、奇跡でも奇跡と言わせても言わせなくてももう何でもいいからここだけは勝って、一瞬でも長くジャパンのラグビーを見ていたいだけだった。
だから、歌った。負けないように。本気のボクスは怖かったけど、負けはないんだと信じて歌った。勝て。勝て。勝て。勝て。勝ってくれ。
ひたすらにのめり込んだ熱狂の記憶は、これからも私をグラウンドへと突き動かしてゆくことでしょう。