あらすじ
地方のコミュニティは衰退し、都市はグローバル化によって格差が拡大し疲弊している。そして都市の論理が地域のコミュニティを崩壊させている──通常このように否定的に語られることが多い。だが本当にそうだろうか。軽やかに移動し、ICTの様々なコミュニケーションの新技術でつながった人々による、都市における新しい共生の作法がありえるのではないか。多様性を認める寛容な精神に満ちた作法が、既存のコミュニティをも変えていく可能性を探る、碩学による最新社会評論。
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Posted by ブクログ
分断と不寛容が跋扈する現代に都市共生はとりうるのか。
新書にしては珍しく多数の参考文献が引用されていることからもわかるように学術的な内容かつ硬質な文体であるため読むにはそれなりの体力が求められる。
私も、何度も用語を調べたり、前項に戻って反芻したりしながら読み進めた。
美しく、誰からも反論がでないような提案。街路樹を植え景観を良くするーそれが消極的支持によるものだったため結局は街の発展には寄与せず、住民からの支持も得られないなどは悲惨な末路だが、さもありなんである。
弱体化することで逆に寛容さが生まれるコミュニティ、というエピソードは興味深かったし、感動的ですらあった。
しかし、なにか積極的な形でよりよい共生は模索できないものか。