あらすじ
アメリカで紙幣にとりあげたい女性の偉人1位に選ばれた、元奴隷ハリエット・タブマン。過酷な少女時代を過ごし奴隷主から逃亡。その後、秘密組織「地下鉄道」の一員として、多くの奴隷を救った彼女の生涯を描く。不屈の精神で、自由を追い求めた闘いの物語。
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Posted by ブクログ
ハリエット・タブマンという人物について、私は何も知らなかった。こんなに立派な人物がいたのかと感動した。奴隷の身分であっても、おかしいと感じたことに立ち向かっていく勇気はすばらしいと思った。また、自分だけよければという考え方でなく、困っている人々を助けようという気持ちにも感動した。
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黒人奴隷だったハリエット・タブマンは南部から北部に逃げ出す。
その後、自分の親類を中心に、地下鉄道の車掌として、奴隷の北部への脱出を助けていく。
途中で奴隷主からの暴力で大きなケガを追ったハリエットは、急な頭痛や眠気に襲われるようなハンディキャップがあったにもかかわらず、昼夜問わず働き、果敢に仲間を救う行動に関わっていく。
奴隷がモノとして扱われていた時代
人ではない扱いをされる奴隷が逃走することは命がけであり、少しのミスが命取りとなる。
その逃走を何十人と助けて、成功させたのは、バイタリティ、賢さ、度胸、色々な面が充実していないとなかなかできないことだと思う。
そして何よりも、自分たち奴隷の境遇がおかしなことだと、信じられたことなのだと思う。
北部の自由黒人の存在。
晴れて奴隷主から自分の領地をもらえたお父さんの存在。
奴隷として扱われている自分たちが同じ人間として尊厳を勝ち得れるのだという確信、気持ちが強くあったのだと思う。
逃げる時に唯一の道しるべとなる、北極星を夜中見上げた、その姿に、理想に向かう、力強い、ハリエットを感じた。
Posted by ブクログ
元奴隷のハリエット・タブマン。彼女は地下鉄道の駅長として多くの奴隷を解放した。翻訳ものかと思えば、日本で出版されたものだった。いろいろ取材されたのかなと思う。
Posted by ブクログ
子ども向けに書かれているので、よくまとまっているが、どうにもタブマンの人生のあらすじを読んでいる印象。どんなに素晴らしいあらすじでも、感動はしない。ディテールはそれほど重要である。
一般書のタブマンの本を読んでいないので断言はできないが、ここまでの信念と行動力があったということは、かなり強い自我を持っており、会う人皆に好かれる、というタイプではなかったのではないか。(マザーテレサもそういうタイプのような気がする。)ただ彼女の奴隷を解放したいという思いとその実力を疑う人はいなかったのだと思う。
しかし、この本ではそこまでの個性は描かれておらず(子どもには差し障りがあると判断されたか?)、全体に薄味。
歴史的背景、奴隷制度の説明など、子どもにもわかりやすいのは良いが、ここに伝記を読む喜びがあるかと言われると‥‥。子ども向けでもゴッデンの書いた『アンデルセン』なんか凄く面白かった。アンデルセンという奇妙な人物の業の深さがありありと伝わったもん。
この本はタブマンが20ドル札の人物に選ばれたので急遽出したのだろうが、トランプ政権になって立ち消えの様子。
しかし、今これだけ黒人差別反対運動が起こってくると、逆にタブマンを20ドルの顔にすることで事態の収拾を図るという可能性もあるかも。
まあ、子どもも知っておいて欲しいし、ざっくり知りたい大人にも良いかもしれない。