あらすじ
「私を肯定して、お願い」毒親、少年犯罪、閉塞した地方都市、ドラッグ――21歳が描く、この社会の病んだ現状。
ある地方都市に暮らす高校生・由美子は、不安定な家庭環境に悩んでいた。
心を病んだ父、世間体ばかりを気にする母、クスリに溺れる弟。
安心できる場所を見つけられずにいる由美子は、
校内新聞の映画記事をきっかけに優等生の時田と交流を持つ。
地元の権力者である時田の父は、過干渉と暴力で息子を支配していた。
ちばてつや賞受賞後、即連載デビュー。 この時代を生きる私たちを描く、圧倒的才能の誕生!!
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Posted by ブクログ
ざっくり刺さってしまった。頭がぐるぐるする。薄氷を踏むようなメンヘラのいる日常の表現が真に迫っていてすごい。
家系、家系、家系!
三つ子の魂百までも、キリンジは「わたしがわたしを追いかける」と歌うけれども、本当に追いかけてくるのはもっと大きなものなんじゃないかと最近思う。
結局どこまで行っても逃げられない、救いなんてないかもしれない、でもそのままどこまでだって行っていいし、誰かが一言「大丈夫」って言ってくれたら、その時は海の境目にいる。向こう側へは行けなくても。
最後、じゃ……また、って言って別れるのが、いろんな思いに胸が痛くなる。