【感想・ネタバレ】オメガは運命に誓わない【イラストあり】のレビュー

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突発性の発情時の千里がえろい

2022年03月30日

 二人ともお互いに気がない関係から始まるのが新鮮で、どの段階で好きになるんだろうと読んでいて楽しかった。
 子供ばかりがいる部屋のシーンでは、自分も千里同様「うわっ」ってなった。臭くてうるさそうなのが伝わってくる。

 黒江のまえで二度目の発情してしまって、また黒江に抱かれてしまう。終わったあとで好...続きを読むきだと気持ちを伝えられて、拒絶する千里。
 白根沢に失恋した千里も、つけ込んだような形になってしまった黒江も、両方の気持ちも汲み取って考えるとつらい。
 発情の限界点に達して理性が吹っ飛び、ただ黒江を誘惑することしか頭にない千里がえろ過ぎた。反して「二度とあんなことはしない」と千里と約束した手前、必死で耐える黒江も健気で良い。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年04月26日

▼あらすじ
大手電子機器メーカーで働く朱羽千里は取引先のβに実らない片想いをしていた。諦め切れないでいたある日、造形作家でαの黒江瞭と出会い、誘いをかけられる。甘い顔立ちをした美形だがオメガを下に見るような態度が許せず、すげなく拒んでしまう。もう二度と会わないだろうと思っていた矢先、朱羽はαとΩ専用...続きを読むのクラブで発情期に入ってしまった。抗えない欲望に耐え切れなくなり、偶然居合わせた黒江と身体を重ねてしまって
――!?

***

ストーリーの完全度:非常に高い
トーン:せつない・シリアス(中)
エロ度:やや高い
萌え度:高い
総合評価:★4.8

「運命の向こう側」という作品のスピンオフらしいです。前作未読のままこちらを先に読みましたが、特に問題はなかったです。
今回、初めてオメガバース小説を読みましたが、凄く面白かったです。時間に余裕があればおそらく一気読みしていたんじゃないかな、と思います。ちょっと予想以上でした。

オメガは総じて容姿が整っているだとか、アルファ同士はそりが合わないからつるまないだとか、私が知っているオメガバースとは設定や世界観が異なる部分が結構あり、こういう解釈もあるのかと吃驚するのと同時に、オリジナリティーがあって面白いなと思いました。(特に番のシステムが無いのには吃驚しました笑)

そして現代モノかと思いきや若干近未来要素が入った世界観で、作中で当たり前のように出て来るフォーンIDやセキュリティ・クエスチョンという単語に「??」ってなりました。フォーンIDは何となく分かるけど、セキュリティ・クエスチョンって何だ?よく分からなかったけど、何かSFちっくでカッコ良かったです(笑)

あと、マッチングシステム!作中に登場するオメガとアルファ用のお見合いシステムなんですが、登録するだけでコンピューターが相性の良い相手探してくれるとか羨まし過ぎる(笑)
物凄く合理的だし、このシステム現実にも導入してくれないかなって思いました(笑)

設定は面白いなって思ったけど、ぶっちゃけ最初の方は萌えられるかどうか心配だったんですよね。攻め(黒江)のキャラが思ってたのと違くて、こういう子供っぽいタイプの攻めはあんまり好きじゃないなぁ…と思ったり。
ただ、それもほんとに最初だけで読み進めていく内に黒江の好感度がどんどん上がっていき、最後の方は何だか可愛く思えてしまう程に。
飾り気がなくて良い意味で全然アルファっぽくないんですよね、黒江って。横柄なところもあるけど素直だし、何よりめちゃくちゃ健気なところに好感が持てました。

この作品、設定が面白いのは勿論のこと、心理描写が丁寧だから余計に引き込まれるんですよね。ずっとベータに片思いしてた朱羽が失恋するシーンなんて彼の気持ちが痛いほど伝わって来て感情移入しまくりでした。何なら朱羽が泣くシーンでこっちまでもらい泣きしそうになったくらいで。失恋描写が上手すぎる(笑)

その後、黒江を拒絶する展開になるんですが、これはまぁ、ちょっと黒江が可哀想だったかなと。黒江の気持ちも理解出来るし、何よりめちゃくちゃ反省しているのが分かるからこそ、朱羽の徹底した拒絶っぷりが読んでいて悲しかったです。
でも、朱羽の“信じてたのに裏切られた”って思う気持ちも分からなくはなかったし、二人の想いが通じ合うまでは何ともどかしくて辛かったです。(そこがまた面白くもあったのですが)

オメガバース作品としては全体的に大人しめな印象だけど、上述したように丁寧な心理描写と作り込まれた世界観、本能やバース性に振り回されながらもそれに必死に抗って自分達だけの幸せを見つけようとする二人の姿をしっかり描かれているので物足りなさなどはなく、最後まで楽しく読む事が出来ました。
自分にとって初めてのオメガバース小説でしたが、読んで良かったです!お気に入りの一冊になりました♡

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年07月17日

「運命の向こう側」のスピンオフ。春間と冬至、風花と清明も登場していて彼らのその後がわかるのが嬉しいけど、前作読んでいなくても問題なしです。

今回のメインは、春間と同じ大手電子機器メーカーで働く朱羽千里。千里はまだΩとしての自分の運命を受け入れられない人物です。意志に反して不遜な態度の黒江のようなα...続きを読むに発情してしまうのが嫌で、まず気持ちから好きになりたいと切望するΩなのです。
そして密かにβの白根沢に片想いをしていて、精神的にはとても純情なのです。白根沢が好きなのに身体が心を勝手に裏切ってしまうのは悲劇。気持ちと身体の相容れなさが伝わってくるので千里の気持ちを考えるととても切ないです。
でも、ヒート時の千里はとてもエロくて、平常とのギャップ感がすごいのです。

見た目横柄で俺様な黒江も、内心αであることで感じる孤独に耐える日々を送ってる男です。優秀で何不自由なく見えるがゆえの寂しさがにじみでている…
読んでいて、黒江にどんどん肩入れしてしまっている自分に気がつきました。色々かわいそうな状況が(特に千里とのHシーンにおいて)てんこ盛りだったような。
とにかく、お互いに気持ちから恋愛したいのに、まず身体が反応して制御不能になってしまうから、特に千里なんかは黒江が許せなくて辛く当たってしまうんでしょうね。

それは、千里も黒江もΩとかαとか抜きにしても相手のことが好きならば、意に添わないHなどではなく本心から求めあいたいというピュアラブがあるからですね…
黒江の不器用な愛情表現に、最後はほだされていく千里に安堵しました。碧の親友らしい助言もグッジョブだったけど、結局は千里が自分自身で黒江への気持ちを認めて納得できたのが一番の決め手でしたね。黒江は意外に忍耐強いカッコいい攻様でした。

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