【感想・ネタバレ】パイドン~魂について~のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いよいよ処刑当日のソクラテスは、特に哲学者は死を恐れる必要はないのだと魂の不滅と輪廻転生を説く。その中で想起説やイデア論が本格的に論じられる。
先に読んだ「饗宴」とは打って変わって、正直すごく退屈に感じてしまった。話のほとんどがソクラテスの一方的な演説と弟子の「そのとおりです」という肯定だけの相槌で進んでいくのと、「反対」という謎概念がずっと幅を利かせているので話がなかなか頭に入ってこない。注と解説に助けられてなんとかついていける感じだけど、やっぱり議論が有効だとはあんまり思えなかった。研究者間でも否定的な意見が多いらしいけども。
魂の不滅という概念が現代にそぐわないという意見は私自身はどうでもよいが(別に哲学議論を現代の自分の生に役立てようと思ってプラトンを読んでいるわけではないから)、断定的に進む割にソクラテスの論立てに穴があるように思える方が気になる。むしろ最後の神話的な死後の魂の行く先の話などのほうが面白く感じた。

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2023年12月02日

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