あらすじ
三十間近な日比野隆道和尚が高校三年生の妹・ゆかりと暮らす寺に、泣きぼくろが印象的な美女が行き倒れ!? 着の身着のまま「夫から逃げてきた」という千尋と日比野兄妹の暫定的三人暮らしが始まる。進路問題に悩むゆかり、真意の見えない千尋、思い出せない記憶を辿る隆道。「縁」の力は三人を救えるのか? あたしにとって、お寺は家だ。お釈迦さんの説いた教えは今一つピンとこなくても、お父さんや、歳の離れた兄ちゃんが頑張って守り、顔なじみのお檀家さんが優しい顔でお参りに来てくれるお寺は、あたしには一番大事な場所だ。──そんな、あたしの大好きなお寺に、あたしの「大っ嫌い」な、あの女はやってきたのだ。(本文より)
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日頃宗教には無縁ながら、講談社さんのTwitter紹介文で引っ掛かり購入。
お坊さんだって、只の人。
身近な人を亡くす経験は、何年経ったとしても何処かに深く刺さったままで。
傷が癒えるとかそういう問題でなく、いつまでもそこにいる。
それで良いと思えるようになるか、ならないか、だと思っている。
仏教の言葉がサブタイトルと共に挿入され、作中和尚さんの言葉として散りばめられ、少しだけ考え方を学んだ。
円く繋がる全ての物事に「世界は美しい」と死ぬ前に思える生き方。