【感想・ネタバレ】ヒューマンエラーの心理学のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年04月19日

なぜ人間は間違えるのかを(1)知覚認知の有限性、(2)環境や行動様式を作り替えるという行動特性、(3)錯覚を自ら利用するという行動様式、の3点から解説した本。
錯覚や認知バイアスについて論じた本は数あれど、ヒューマンエラーという観点から心理学、行動経済学、神経科学といった分野を横断的に扱った本は珍し...続きを読むい。
それぞれ重要単語が太線になっており、用語の定義が分かりやすくされているため、心理学の勉強にはもってこいの一冊だ。

このレビューは参考になりましたか?
ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年09月11日

p92
感情が生起してから、それに対応した身体的反応が生じると考える人が多いことでしょう。たとえば、悲しいから泣く、怖いから震える、楽しいから笑う、などなど。ところが、感情と身体的状況との関係については、逆のパターンもあります。泣くから悲しい、震えるから怖い、笑っているから楽しいといったことです。
...続きを読む実際、感情の生起によって生じると考えられるさまざまな生理的反応、たとえば、心拍が早くなったり、発汗したりすることは、自分の情動の生起を経験するよりも早く生じることが知られています。ただし、身体の生理的反応だけで感情が生起するわけではなく、そうした生理的反応の原因をどのように帰属させるかによって、情動の種類や生起が決定されます(情動二要因理論)。つまり、自分自身の感情の内容は、外界や身体情報にもとづいてラベルづけされることで決定されるのです。

・マガーク効果
視覚が聴覚に影響
・ラバーハンド錯視
・ダブルフラッシュ錯視
視覚が聴覚に影響される

p148
自分の持つ信念に合わないことは認識されにくいという特性があります。仮にその事柄が認識されたとしても、記憶には残りにくいのです。
逆に、自分の持っている信念に合致することが生じた場合は認識されやすく、記憶にも残りやすいのです。そのため、いったん獲得された信念は強化されやすく、破棄されにくいことになります。このような信念の維持されやすさは、「確証バイアス」と呼ばれる認知的錯覚の一つです。
実際の事柄と対応しない信念は「迷信」と呼ばれます。

p152
自尊感情とは、自分自身が意義のある存在であるとする感情的判断のことです。…
私たちは、自尊感情を傷つけないように、自分の失敗はあまり認知しませんし、記憶もしません。うまくいったことだけ覚える傾向があります。
自分の引き起こした出来事に対するこのように都合のよい認知を行う傾向の基礎には、自我防衛機制という自尊感情の保全の仕組みがあると考えられます。おそらくは、自分の本当の能力を正当に評価することは、自我の安定にとっては厳しすぎることなのでしょう。
この自我防衛機制には、さらにやっかいな特性があります。自分の信念と一致しない情報の提供者や、自分が高く評価しているものの価値を低下させる人やものについては、心的価値を落としたり、嫌いになったりしやすいのです。
これは、自分が信じていることがら、自分が信じている高く評価している対象と、その対象を低く評価する情報やその情報の発信源の両方を認めることで生じる認知的な不協和を避けるための自動的調整によるものと考えられています。

・虚記憶

・現状維持バイアス
・正常化バイアス
・楽観主義バイアス
・確証バイアス
・同調バイアス
・コントロール幻想バイアス
・損失回避バイアス
・計画の誤謬
・集団浅慮バイアス

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年08月13日

「人間とはかくも間違う生き物である」ということがよくわかる一冊です。錯視や錯誤、身体と感情の関係、モンティーホール問題を筆頭とした直感の危うさ、各種バイアスなど、事象自体は私が日ごろ読んでいるビジネス本などでもたびたび取り上げられているものが多いのですが、心理学や脳科学の観点から著者がわかりやすく解...続きを読む説してくれている点、専門家の本領発揮といったところ、さらにはあまり小難しくならず素人でも読みやすい内容にまとまっている点も◎。

このレビューは参考になりましたか?