【感想・ネタバレ】異端者たちが時代をつくる――諦めばかりの現代社会を変えた6つの勇気の物語のレビュー

あらすじ

【内容紹介】
言いたいことも言えないこんな世の中に立ち向かう日本人がいた

令和年代初の本格派ストーリー
●「オウムの狂気」に挑んだ週刊文春
●「神の手」と呼ばれた医師との闘い
●日本人メジャーリーガーの意地とプライド
●「宗教マフィア」への宣戦布告
●未成年凶悪犯、そして実名報道の葛藤
●「少年A」の両親にとっての22年

「誇りを持つために戦うことも必要さ」

【著者紹介】
[著]松井 清人
1950年、東京都生まれ。東京教育大学アメリカ文学科卒業。
1974年、(株)文藝春秋入社。『諸君! 』『週刊文春』『文藝春秋』の編集長などを経て、文藝春秋社長。2018年、退任。

【目次抜粋】
プロローグ 地下鉄の惨劇
第1章 「オウムの狂気」に挑んだ六年
第2章 「がん治療革命」の先導者
第3章 「パイオニア」の意地と誇り
第4章 「宗教マフィア」への宣戦布告
第5章 「実名報道」陰の立役者
第6章 「少年A」の両親との二十二年
エピローグ 神戸の点と線
あとがき
主な参考文献

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Posted by ブクログ

 ビジネスの異端者という期待は裏切られたが、社会派の記事にまつわるエピソードは興味深いものが多かった。
 
 近藤誠氏の連載記事の要旨
①手術はほとんど役に立たない。
②抗がん剤が効くがんは、全体の一割にすぎない。
③がん検診は、百害あって一利なし。
④子慧眼には、本物のがんと「がんもどき」の二種類がある。

 1989年に発覚した「女子高生コンクリート詰め事件」のその後
 反省していている、申し訳ない、償いたい―ほかの被告、C(19)、B(17)、D(18)らの陳述も、A被告とほぼ同様のものであった。
 それから三十年が過ぎ、四人は四十代後半となっている。彼らはその後、どんな人生を歩んだのだろうか。
 懲役を終えて刑務所を出たあと、最初に逮捕されたのは、改姓していたC。2004年に監禁傷害事件を起こし、懲役四年の判決を受けた。女性に関するトラブルで知人男性を車のトランクに入れて連れ回し、殴る蹴るの暴行。「俺を誰だと思ってるんだ。十年食らってるんだぞ」と、前科を脅し文句に使っていた。
 Aは2013年、パチンコ必勝法の情報料という名目で現金を騙し取る詐欺容疑で逮捕。ただし不起訴になった。
 女子高生惨殺の現場となった家に住んでいたBは、2018年八月に殺人未遂容疑で逮捕された(起訴罪名は傷害罪)。同じアパートの別棟に住む男性と、駐車スペースをめぐって揉み合いになる長さ41センチの警棒で相手を殴り、さらに刃渡り8センチのナイフで首を刺すという、執拗で凶悪な犯行だった。
 三十年前、東京地裁の裁判長は判決の最後に、四人の少年にこう語りかけた。
「事件を、各自の一生の宿題として考え続けてください」
 与えられた宿題に対して、彼らの出した答えはさらなる犯罪を重ねることだった。
 少年法は、彼らを更生させることができなかったのだ。

0
2020年04月25日

Posted by ブクログ

 ビジネスの異端者という期待は裏切られたが、社会派の記事にまつわるエピソードは興味深いものが多かった。
 
 近藤誠氏の連載記事の要旨
?手術はほとんど役に立たない。
?抗がん剤が効くがんは、全体の一割にすぎない。
?がん検診は、百害あって一利なし。
?子慧眼には、本物のがんと「がんもどき」の二種類がある。

 1989年に発覚した「女子高生コンクリート詰め事件」のその後
 反省していている、申し訳ない、償いたい―ほかの被告、C(19)、B(17)、D(18)らの陳述も、A被告とほぼ同様のものであった。
 それから三十年が過ぎ、四人は四十代後半となっている。彼らはその後、どんな人生を歩んだのだろうか。
 懲役を終えて刑務所を出たあと、最初に逮捕されたのは、改姓していたC。2004年に監禁傷害事件を起こし、懲役四年の判決を受けた。女性に関するトラブルで知人男性を車のトランクに入れて連れ回し、殴る蹴るの暴行。「俺を誰だと思ってるんだ。十年食らってるんだぞ」と、前科を脅し文句に使っていた。
 Aは2013年、パチンコ必勝法の情報料という名目で現金を騙し取る詐欺容疑で逮捕。ただし不起訴になった。
 女子高生惨殺の現場となった家に住んでいたBは、2018年八月に殺人未遂容疑で逮捕された(起訴罪名は傷害罪)。同じアパートの別棟に住む男性と、駐車スペースをめぐって揉み合いになる長さ41センチの警棒で相手を殴り、さらに刃渡り8センチのナイフで首を刺すという、執拗で凶悪な犯行だった。
 三十年前、東京地裁の裁判長は判決の最後に、四人の少年にこう語りかけた。
「事件を、各自の一生の宿題として考え続けてください」
 与えられた宿題に対して、彼らの出した答えはさらなる犯罪を重ねることだった。
 少年法は、彼らを更生させることができなかったのだ。

0
2021年08月08日

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