あらすじ
元横浜DeNAベイスターズ投手、初の「ビジネス書」刊行!
2017年に横浜DeNAベイスターズから戦力外通告を受けた元投手・小杉陽太氏は、現役時代から熱望していた「起業」を選び、ビジネスの世界に飛び込んだ。ベイスターズ人気を爆発的に高めたのは、親会社DeNA経営陣の手腕だ。その球団運営を間近で見て学んだ小杉氏は、自身の会社「株式会社l’unique(リュニック)」の経営にそれを生かし、見事、軌道に乗せることに成功した。その小杉氏が自身と同じ境遇からポジティブな転身・転職を成功させている元プロ野球選手のビジネスパーソンを訪ねる。大手外資系企業、公認会計士、店舗経営……野球という枠を超える大胆な人生のシフトチェンジの背景には何があったのか?シビアな競争にさらされてきたプロフェッショナルアスリートたちがたどり着いた「働くこと」の意味とは?
新たな挑戦をためらうな。
動きながら次を考えろ。
失敗は未来の武器になる――。
転職に踏み切れないビジネスパーソン、組織における自分のポジションに惑う人にこそ読んでほしい。あなたのライフシフトへの決断と覚悟の力をつける一冊!
僕の転職はゼロからの起業だった――ちょっと長めのまえがき
第1章 下園辰哉(横浜DeNAベイスターズ→株式会社ディアラ)
「当たって砕けろってタイプでね。できなかったら『すいません』って謝ればいいだけじゃない?」
第2章 奥村武博(阪神タイガース→公認会計士)
「合格までの9年の雌伏の時間を過ごしたことは僕の強みであり、ある種のブランド力になった。土深く潜っていたわけですからね(笑)」
第3章 柴田章吾(読売ジャイアンツ→アクセンチュア株式会社)
「プロ野球選手を辞めて最初に感じたこと「これからは自由に生きることができる」。難病になって以来、責任感で野球をやっていたところもあった」
第4章 松下一郎
(横浜DeNAベイスターズ→株式会社セールスフォース・ドットコム)
「ブルペンキャッチャーとしてチーム全体を見るのは楽しかったけれど、限界はある。もう一度「評価される世界」に行きたかった」
第5章 藤江均(横浜DeNAベイスターズ→
東北楽天ゴールデンイーグルス→米独立リーグ→焼肉39ごりら)
「夢を語る、口に出すことで行動がついてくる。一番ダメなのは、こうなりたいと思うだけで、それに向かって何もやらないことやね」
終章 対談を終えて
僕たちは一度クビを言い渡されている。わかりやすく失敗した過去があるからこそ、新たな失敗を恐れずに立ち向かうことができるのだと思う。
あとがき
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
年末の人気番組の一つ「プロ野球戦力外通告」。
華やかなプロの世界から「無職」になってしまった男たちを追いかけるドキュメント。
著者もこの本に登場する元選手たちも、一度はその「戦力外通告」を受けた男たちだ。
だが、この本には全く悲壮感がない。
著者自身、現役時代から親会社がDeNAであったという環境を活かし、学んでいた。
そして引退後すぐに「起業」し、今日に至っている。
馬肉を専門に扱う会社に就職した、ベイスターズの代打の切り札にして元選手会長の下園辰哉。
タイガースを戦力外通告後、初のプロ野球選手出身の公認会計士となった奥村武博。
ペーチェット病と闘いながらジャイアンツの育成選手となり、球団職員を経て大手外資系コンサルティング会社「アクセンチュア」に就職した柴田章吾。
ベイスターズのブルペンキャッチャーから、顧客関係管理のクラウドアプリケーションを提供する外資系企業「セールスフォース」に就職した松下一郎。
ベイスターズ、楽天イーグルス、アメリカ独立リーグを経て、実兄とともに大阪で「焼き肉39ごりら」を経営する藤江均。
プロ野球を戦力外になったことだけが取りざたされるが、もともとプロ野球選手になれたことこそが凄いこと。
野球という複雑なルールのスポーツの最高峰のレベルに一度はたどり着いた男たち。
圧倒的な身体能力と、明晰な頭脳と、コミュニケーション能力がなければ、プロの目にはとまらない。
一人ひとりが、「戦力外」という挫折すら武器にして、本当にやりたいことを掴んでいく。
迷っている時間があったら、一歩踏み出せ。
ピンチはチャンスだ。
そのためにも、自分自身を正確に把握せよ。
その生き様は、刺激に充ち満ちている。
生きる元気、前に進む力が沸き上がってくる好著。