あらすじ
ぼくは、恋人を壊すことにした。高校生の北林掌には悩みがあった。それは、幼少期から自分の中に眠る何かを壊したいという突発的な“破壊衝動”。そんな自分を恐れ、このままでは人生を台無しにしてしまうと思った掌は、一度だけその願望を満たすことを決意する。そんな時に、偶然入った町の古びた文具屋。年上で物腰の柔らかい店主の蛍二郎に出会い、掌は決める。「――こいつにしよう」と。
...続きを読む感情タグBEST3
少年の心の闇、精神的な不安定さ、揺れる感情などなどのお陰でラストまで終始不穏な空気の漂う作品でした
主人公の掌くんがかなりクセのあるキャラクターなので、「可愛い男の子が歳上のお兄さんに恋をする」という王道からは結構ズレるんですが、私にはとてもハマりました!
読みやすい(と言うと語弊があるかもですが、安心して萌えれるタイプの)作品をよく読んでたので、こういうのは新鮮で、ぐいぐい引き込まれた感じです
掌くんが、自分自身を理解しきれずに持て余して暴走してしまう様は正直共感できず見てて痛々しかったですし、蛍さんはとんでもねぇやつに目を付けられたな…とかわいそうになったりもしました
すぐに幸せラブラブになるお話はもちろん大好きですが、この作品みたいに一筋縄ではいかないお話も読み応えがあってすごくいいなぁと思えたので、読んでよかったです
一度目はストーリーに着いていくのが精一杯でしたが、時間を置いて二度目は掌くん目線で、三度目は蛍さん目線で、という風に、何度も読み返して楽しめる作品です
私は好き
ページ数もそこそこあり、若さ故の感情の振り幅とか衝動的な行動などがわかりやすく描かれていたと思います。
でも、間々が変にはしょられてる感があり、もったいないような気が....。
上下巻にしてお互いの気持ちをもう少し丁寧に描かれていたら最高でした。