あらすじ
東京医大の入試不正事件で明るみに出た、女性の医学部受験者への減点操作。「必要悪」「長年の公然の秘密」との声も多かった。医学部人気で女性志願者も増える現在、なぜ「女医は要らない」と言われてしまうのか。新研修医制度、新専門医制度の導入はなぜ、さらなる医師偏在、医療崩壊を招いたのか。フリーランス女医として活躍する著者が、女医の現状を鋭く分析。真に有効な「女性活用」「医師の働き方改革」のヒントを提示する。
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Posted by ブクログ
最近腹が立ったニュースの五指に入った、医大の女子合格率操作。
学ぶ権利、性別や門地で選別してはいけないという、憲法および教育基本法をも踏みにじる酷い差別。
…と憤りつつも、夜勤や救急、長時間の手術など、体力勝負のガテンな側面もある仕事。女性では務まらないから男手が欲しいという現場の声もまた事実。
だったらコソコソ内部操作せずに、入口で志望を振り分けちゃうとかすればいいのに。
実入りが良くて訴訟リスクも少ない科に医者が集まってしまうという風潮も人間なら仕方がない。
どうしても国内津々浦々に医療を行き渡らせるためには、僻地勤務には特別手当をつけたり奨学制度を設けるなどの奨励策が必要だろう。
あと、いつも思うのは、健康診断とか予防接種、町医者レベルの医者と、大病院で難しい研究や治療や手術をする医者は別訓練、別資格、別給与体系で良いのではということだ。
それと、分業(著者のいうジョブベース)で実力に見合った報酬、やりがいを自由に選択できるようにすることも大切だ。
医者は人気の職業だそうだが、手堅い一生物の資格とスキルで労少なく高収入を得たいのは誰しも一緒。
私は、ゆるふわ系女医も否定はしない。資格を活かして好きなように働いて何が悪い。そういう層も一定いてもいいと思う。ただ、そういう人ばかり増えてフルで働く医者が少なくなってしまっては困るが。
あとは、地方に医療が行き渡り、ハードな業種の人が燃え尽きないように報酬体系やインセンティブを組み替えなくてはいけないだろう。
何しろ、なんだか恐ろしく特殊な業界のようだ。なんでみんな医者になりたいの??