【感想・ネタバレ】月桂国神医伝 死にたがりな神さまは難攻不落！【特典SS付】のレビュー

幸村かなえ / 雲屋ゆきお

物が人の形を取った者《霊器》を治す霊医として、独り立ちしたばかりの少女・月瑛。新しい患者は、国の宝剣が本性の美青年！ 西洋風の衣装をまとった彼は異国から贈られた宝剣で、治療しないと国の一大事になるらしくて……。王宮で王の妃の振りをしながら治療をしてほしい？ 宝剣様は治療を受ける気が皆無だし、その上、舞まで披露することになるなんて難題ばかりなんですけど！ 剣が本性の青年と霊医の少女の中華風お仕事ラブ!! ※電子版はショートストーリー付。

[ブクログ · ★★★★☆]

過去の出来事で自分を責めている月瑛と紫月。償いたいと思っているのは同じだけど、前向きな月瑛と後ろ向きな紫月では方法はかなり違う。罪悪感を忘れられない２人を見るのは悲しいけれど、だからこそ頑張ろうとする月瑛は応援したくなった。月瑛と一緒にいることで変わっていく紫月を見るのも楽しいし。自分のことを後回しにしてしまう月瑛だけど、これからは紫月が守ってくれるかな。と想像すると嬉しくなった。

[ブクログ · ★★★☆☆]

物だったものが人の形である霊器に変化する世界の話。その霊器を治す霊医のヒロインと、治療されずに消えてしまえばいいとさえ願う美しい宝剣の美青年が、本当に少しずつ心を通わせていく感じがすごくあたたかい。その2人のそばにいるキャラクターも、一癖も二癖もあってやりとりが楽しかった。物語の中は1か月ほどの時間だが、密度が濃い感じはあまりなく、さらっと読める。