【感想・ネタバレ】マチネの終わりに(文庫版)のレビュー

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筆致が美しい、平野さんらしい作品。
前半部分だけでは、蒔野の想いは理解できるが洋子はなぜ蒔野に惹かれたかがよく分からなかった。
後半にかけて、そのなぜが解明されてきて2人が時間や立場を越えて特別な関係であることが分かる。
読者の方には共感出来ない、世界に入りにくいと感じる人もいると思う。
過去が今を、未来を変えているとは本作品の主文かもしれないが、その意味を深く考えると味わい深い作品だと私は感じた。

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2024年03月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

たった3度の出会いで変わってしまった過去と未来、とても広大な三角関係。戦争や精神病、その他色々の情勢のより深く知ってたらもっと面白かったのかな、にしても三谷の気持ちは凄くわかる
卵が奪われた親鳥の気持ちの様な...けど洋子側が不憫すぎる結局1人になったのはダメだよ...

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2024年02月28日

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ネタバレ

美しい話だなというのがまず感想。3回しか会ったことがないとは思えないほど、蒔野と洋子の愛と人生は深いなあ。
すれ違いのシーンからはハラハラしすぎて一気に読んでしまった。三谷ーーー。すれ違いがなければ結ばれていたのかもしれないけど、そしたら今の人生はなかったんだよね。2人は結ばれない運命だったかもしれないし、結ばれなかったからこそ今幸せなのかもしれない。"過去は常に未来を変えている" この言葉が最初から最後まで胸に沁みるお話でした。
最後再会できてよかったけど、その後どうなったのーーー気になる。読者に続きを想像させる、素敵な終わり方でした。

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2024年06月04日

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感想
大まかな流れ自体はありふれた恋愛小説だが、ここまで人の内面や自分のバックグラウンドと社会情勢を細やかに、そして心情描写と絡めながら書いたものは見たことがなかった。

若い時のように勢いだけでは乗り切れない恋と自分の立場や物理的な距離など二人の恋路を苦労させるものが多いなぁ。

そしてなんで大事な時に携帯落とすかなぁ。

あらすじ
クラシックギタリストの蒔野は40歳で演奏者として脂がのってきた時期であったが、自分の最近の演奏に納得がいかず悩んでいた。洋子は40代でジャーナリストとしてフセイン政権後のイラクに赴き、精力的に取材していた。アメリカ人のフィアンセとも結婚間近で充実していたが、イラクで自爆テロに遭いそうになり、人生について見つめ直す。そんな二人は一度の邂逅でなんとなく惹かれあっていた。

単純な恋愛モノではなく、お互いの成り立ちや立場がある程度確立した中で、芸術性や価値観、社会の変化など考慮されつつ、内面が惹かれあってゆく。すれ違い、誤解、それぞれの生活と時の流れ。濃密だった二人の時間は最後に再び邂逅という形になる。

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2024年05月25日

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未来は常に過去を変えていると言う言葉が印象的だった。
未来の事、これからの行動で過去はいい意味でも悪い意味でも変わってしまう様な繊細なもの。
過去の出来事は変えられない事実だと思っていたのが覆されるような文章だった。

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2024年03月11日

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文化的造詣が深く知的水準の高い二人に憧れるというか、知らない語彙も多く、こんな会話が出来る人間になってみたいという欲望が出てくるというか、とにかく素敵

恋に落ちて、でも会えなくて、会った時の事を何度も思い返しながら相手への気持ちを高めていた時が1番読んでいて楽しかった。

もちろん脳内では福山雅治で映像化

全く……あんな事ですれ違うなんて。
おばさんはがっかりですよ。

直接問い詰めたり怒ったりしない女性像が腑に落ちないが、最後も一応妻と子がいるのに恋が再燃しそうなのも受け入れられないが、まあ、そうやって感情を揺さぶられてすっかり作者の思う壺な読後でした。

楽しかった

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2024年01月31日

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平野啓一郎「ある男」が、めっちゃくちゃ面白かったので「平野さんの他の作品はどないなものなんだろう?」と興味を持ちまして。この「マチネの終わりに」読んだ次第です。こちらも見事な作品だなあ、とね、思いましたね。うむ。良かった!

クラシック・ギタリストとしての蒔野聡史は、間違いなくなんらかの特別な才能を持った存在だと思います。ありていにいうと、天才、ですよね。ただ、天才、という存在でも、人生のある場面では、どうしようもなく「からっぽ」になってしまうんだろうなあ、という事が、シミジミ分かりますねえ。才能が枯れかける、ということなのかな。スランプ、というヤツかなあ。ありていに言うと。

そこから、どう、立ち直るのか?立ち直ることができるのか?そうした、いわゆる、、、芸術論?という言い方かな。あるいは「才能とはなんぞや?」という言い方かな?そうした点から読んでみても、大変に面白かったです。恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」を思い出したり。或いは、奥田英朗さんの「ウランバーナの森」も思い出したり。いやあ、、、「才能」って、ホンマ、なんなんだろうなあ、、、

あと、小説の感想なのに映画の話をして申し訳ない、なのですが、、、この小説、映画化されてます。映画の方では、ヒロインの小峰洋子を、石田ゆり子が演じているようです。石田ゆり子さん、超美人だから、そこ(そこって「どこ」やねん、ですが笑)は全然心配してないんですが、

小峰洋子って、、、日本語、英語、フランス語を、ほぼ完璧に話す設定でしょ?小説では全部日本語で表記してあるところでも、基本は三か国語をずっと使い分けている描写でしょ?映画で、それ、映画でちゃんと、表現できてるのか笑?とかいらん心配を思うんですよね。ま、平たく言いますと、全て日本語で演技しちゃえば良いとは思うんですが笑、そこがどう映像では表現されているのか、が、ちょっと気になりますね。

あ、そうそう、この作品は、間違いなく好きな作品ですが、ちょっとツッコミたい。蒔野のマネージャーである三谷早苗。おそらくこの物語の読者にしてみれば、「アンタさえいなければ全て円満ハッピーだったのに!ホンマあんた、いらんことしい!」と全ての悪意を向けられるであろうパネエ存在の彼女、だと思うんですが、、、

あの、聡史にガチで惚れてた彼女が、決定的なことするアレ。あっこですよ。小峰洋子がパリから日本に来てる。蒔野聡史、ウッキウキ。超ハッピーが目前!のあの場面ですよ。

あの時に祖父江誠一が倒れるのもご都合主義なら、聡史がトロいタクシーに乗り込み苛立って「俺、降りる!」ってなって、そこでタクに携帯忘れるのもご都合主義、そしてケータイ取ってきて!って頼まれる早苗さん。彼女は頑張り屋さんなんで、しっかりケータイゲット。暗証番号まで教えてもらってる。んで聡史に届ける途中で洋子を発見!嫉妬のあまり、聡史のフリしてニセメールを洋子に送る!送ったあとに不慮の事故でケータイを水たまりにポチャる!

あの流れ。あの流れね。アレはもう、声を大にして言いたいんですよ「、、、え?これ、、、コント?お笑いっすか?」って。アレって絶対、読者を笑わせにかかってますよね?って思ったよ。俺は。アレってもうね、全部がご都合主義っすよね。ネタでしかないよね。早苗、マジぶっとんでるよねクレイジーだよね。

村上春樹さんが、色んな作品で言及してる「嫉妬の感情の底知れない怖さ」をビシバシに感じたよ俺は。いやあ、嫉妬ってマジ怖いねえ。他人の人生を決定的に変えちゃうよねえ。

ま、読んでて、わたくしはずっと「え?コントやん。コントやんコレ!平野さん、絶対読者を笑わせにかかってるやんか笑。コレはガチやなあ~」ってナナメ読みしてました、マジで。あんなご都合主義満載の流れでしょ絶対コレ!?こんな偶然こんなに重なる訳ないやん!マジ怒りまっせプンプンでっせ!横山のやっさんも怒るでしかし!

な、あの展開でも、あんなことは、多分、「本当にあり得る」のです。そう思ったのも、間違いのない俺の真実の感想。いやあ、、、あれは「あり得る」んですよきっと。現実はこの世で最も奇妙なものなのですよきっと。あの展開は、多分、ホンマに「あり得る」のだ。

とまあ、マジであの箇所はねえ、、、色んな意味で、ツッコミどころ満載の展開で、個人的には大満足でした。

んで、お話もトータルとしても、もちろん大満足でした!エエ作品です、しみじみ。

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2024年02月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こんなすれ違いってあるか!?
ふたりとも饒舌なんだからもっと追求すればよかったのに!忖度し過ぎだよこれだから日本人は(言い過ぎ)
まぁでも5年くらいならいいか(何が?)
フィリップが一貫していい男だ

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2024年05月07日

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しんどい

久しぶりにとても読むのが辛い本だった。中盤は噛み締めながら読むのが無理だった。明るい兆しを含むラストであったが、救われるわけではない。この本を読むには自分はまだ人間性や教養が足りてないと感じた。5年後10年後にまた読んでみたいと思う。その時人間的な深みを得られていればじっくりと読み込むことができるかもしれない。

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2019年11月26日

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