【感想・ネタバレ】マチネの終わりに(文庫版)のレビュー

あらすじ

天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。

深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか――。



出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。

スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦しむ洋子。

やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまうが……。



愛とは運命なのか、それとも、私たちの意志なのか?

芥川賞作家が贈る、至高の恋愛小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

普段恋愛小説はあまり読まないが、なんとなく題名に惹かれて手に取った。この本は心が揺さぶられる大人の切ない物語だった。
蒔野と洋子が会う予定だった日、二人はほんの小さなすれ違いが重なって、更に早苗が洋子に送った別れを告げる偽メールによって一緒に歩むはずの二人の道が分たれてしまった。
この時、蒔野も洋子も精神的にダメージを負っていたために、相手のことを想い、また自分が傷つかない方向に進んでいったのだと思う。
早苗は大変なことをした、との自覚がありながらも自分の行為を自分の中で正当化していく。
早苗には全く共感はできないが、自分の間違いをなんとか正当化しようとする心理は多少は理解できる。
蒔野と洋子が初めて会った時の会話、未来は常に過去を変えている、という話は印象深かった。洋子が父親に昔のことを聞く場面、まさに過去が変わった瞬間で、父と娘の気持ちが通じたこの場面はとても好きだ。
ニューヨークで蒔野のコンサートに行った洋子、一部が終わってギリギリまで帰るか、席に戻るかを悩んでいたが、席に戻ることを決断できた洋子に拍手を送りたい。
登場人物の心情が細かく綴られていて、読み応えのある、余韻の残る一冊だった。

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2026年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画鑑賞時も馬に蹴られろ!と心底思っていたのだが、原作を読んだことでより詳細に深く彼女の心情や思想がわかった今でも、やはりわたしは三谷早苗という人物が嫌いだ。
仕組んだ事そのものより、2人が許すしかなくなる要因を得た後に全て自白しているあたり、本当にタチが悪い(意図していないなら余計に)。せめて墓場まで持っていく気概は見せてくれよと思ってしまう。
それはそうとして、「過去の意味合いは変えられる」という主題をニューヨークでの再会をもってして表現し締め括るストーリー構成がとても良いし、平野さんが綴る物語には心揺さぶられるなぁと改めて感じた。
映画サウンドトラックは作中でキーとなっているクラシックギターの音色を堪能出来るので、読書のお供におすすめです。

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2026年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

過去は変えられないと思いがちだが、未来によって常に過去は変えられているーーー。本作のテーマともいえるこの概念をベースにしながら、恋愛とも言えないけれども互いを思う気持ち、嫉妬により結ばれなかった結婚生活まで、静かに流れるクラシックのような物語だった。
ミステリではないのに、先が気になり、でも一気に読み進められないような独特の雰囲気を感じた。他の作品も読み進めたい。

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

好きな作品。

たった数回しか会わずとも強く惹かれ、紡ぎ合う時間がどれだけ短くとも二人の深い繋がりは、生き方、考え方、すべてに影響を与え続ける。

再会の後、どんな話しをするのかな。
互いの大切なものを、互いに受け入れ合って、精神的な深い繋がりを、穏やかな気持ちで語り合いながら歳を重ねて行ってくれたらいいな。

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2026年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えているんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。」

作中で洋子が何度か思い出す蒔野のこの言葉。この本の最後の1シーンを読み終えた後に思うことは、その後2人の過去は幸せな記憶として変わったのかどうかということと、そうあって欲しいと思うこと。
それは2人が尊敬しあえる友人としてではなく恋人としてあの夜の続きを進めることで変えて欲しいと思った。

2人のその後は読者のご想像にお任せしますという感じだったので、最後に蒔野が洋子に会う直前に思い返した幸福の硬貨の一節にあるように.....彼らは、きっともう失敗しないでしょう!

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2025年11月04日

aiu

ネタバレ 購入済み

独身の蒔野と婚約している洋子が惹かれあうという話で、内容としてはドロドロとしたものとなっていた。しかし、二人の性格の見せ方なのか、不快感を抱くようなことはなく、どちらかというとピュアな印象を持って読むことができた。
また、終盤で擦れ違いの真相をお互いが知った際の考え方やその後の行動から、もし私ならどうしただろうかということを考えさせられた。どう動いても最高の結末が想像できないまま二人が再会し、そこで物語が終わりを迎えたので、自然とその後に思いを馳せられた。

#切ない

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2026年04月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「未来は常に過去を変えている」過去には戻れないという時間的な不可逆性があるけれど、現在と未来を使って、過去を捉え直すことはできる。過去に対する自分の心情を塗り替えることで、過去は変えられる。だから思い出に惹かれ続ける。
 大人になると心を動かされるものに出会う機会が減ってしまう。他人を通してみる理屈のない好奇心に、身を委ねて情熱を捧げることに臆病になってしまう。大人になったといえば聞こえはいいけれど、言い訳が上手になっているだけ。

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2026年04月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

序盤や終盤の展開をみるとたしかに「恋愛小説」なのだが、はたして筆者は「運命的な惹かれ方をしあった二人の恋愛模様」を描きたかったのか?というと、違う気がしている。

というより、「描きたいことをいろいろ詰め込んでみました!」感をどうしても感じてしまい、そしてその「描きたい一つ一つの題材」がそれこそ「ひとつの作品の核」になりうる重いものばかりであるからこそ、中途半端な描かれ方となり、かえって一つ一つの要素が薄く感じられる。もっというと軽んじられている、という印象になっていると個人的には感じた。ひとつひとつの要素がうまく絡んでいないというか。

複雑というより、「ちぐはぐ」。

また、物語としての大きな「転」である二人のすれ違いについては、正直言って稚拙さが目立つ展開だと思った。まさかのアンジャッシュ。

いい大人同士、直接話せばすぐ解ける誤解であるだろうに、ドラマ性をもたせたいからか、直接二人が話せなかった理由として「イラクでの自爆テロに巻き込まれた経験によるPTSD」や「恩師の危篤」を利用するところに、かなり嫌悪感と不誠実さを感じた。


冗長だと感じるシーンもあれば、「え、ここの展開こんなにあっさり?」と思うところもあり、読んでいてのカタルシスがうすい。

特に、二人がすれ違う原因を作った戦犯★早苗の罪の告白・真実の露呈シーンは読者が読みたいところだと思うのだが、思ったよりあっさりしてる上に蒔野も強く責めないのですっきりしない。

かといって早苗の好感度があがるような(肩を持ちたくなるような)シーンもほぼ書かれていないので、(ってか蒔野が早苗をすきになっていく描写すらない。ポジション的には早苗悪くないはずなのに、さすがに脇役すぎる。ちょっと不憫)

蒔野が真実を知ったあとでも「早苗と別れない選択」をする・早苗との「家族としての親密さ」に説得力がない。子供もいれば「別れろ!」とは簡単に言えないのはそうだし、献身的に支えてきてくれたというのはそうなんだけど。
けっきょく早苗は罪悪感に苛まれるくらいで最後までお咎めほぼなしなのもなんだかなぁ。

いろいろ文句を書いてはいるが、洋子と父のシーンだったり、洋子・蒔野・ジャリーラの3人で過ごしたパリの夜のシーンはよかったなと思う。

映画はもしかしたら尺の問題的に、いろいろとカットせざるを得ないであろうから逆にすっきりしてみやすくなってるかも、と思った。観てないけど観てみようかな?

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2026年07月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すごく難しい言葉が多くて読み終えるのに時間がかかった。
だけど読み終えた後は、今まですれ違いすぎてた2人の時計がやっと進む期待に溢れた。

ただ、早苗を本当に許せないのはまだ自分が若いからなのか。当の本人達が何故あそこまで冷静でいられるのかが疑問だった。

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2026年02月19日

ネタバレ 購入済み

しんどい

久しぶりにとても読むのが辛い本だった。中盤は噛み締めながら読むのが無理だった。明るい兆しを含むラストであったが、救われるわけではない。この本を読むには自分はまだ人間性や教養が足りてないと感じた。5年後10年後にまた読んでみたいと思う。その時人間的な深みを得られていればじっくりと読み込むことができるかもしれない。

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2019年11月26日

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