【感想・ネタバレ】ブラック・アイスのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ハリー・ボッシュシリーズの2作目、「ブラック・アイス」、それは、冬の、雨が降った後、とても冷えこんだ日に起こる。
雨が道路で凍り、黒いアスファルトの上に、氷が張っているのだけど、見えない。
それが、ブラック・アイス。
上に乗っかるまで危険に気づかない。
一旦、上に乗っかったらもう手遅れで、スリップしてハンドルが効かなくなる。
ボッシュはブラック・アイスの危険を回避できるのか?

カル・ムーアの残したメモ、「おれは自分がなにものかわかった。」から、幼い少年がそれぞれ自分がなにものであるのか見いださねばならなかった場所に、ボッシュは辿り着く。
事件の手がかりであると同時に、ボッシュ自身に突きつけられた言葉でもある、とボッシュはつぶやいている。
自身は何ものなのか、ボッシュの自己洞察が興味深い。

P308
生まれてこのかた、ボッシュは自分がなにか善なるものに近づこうとしていたと信じていた。有意義なものが存在していると信じて。
ある種の決意と目的意識をつかもうともがいていたという感触が常につきまとっていた。自分のなかに、あるいは自分のどこかに、善なるものがあるのだと感じながら。
そういうものが訪れるのを待ち構えているのは、つらいものだった。
待っていると、心にぽっかり穴があいた気がすることがよくあった。
P309
その空虚な感覚を、孤独でいることと仕事で埋める術を学んだ。

カル・ムーアの鼻腔内から見つかったピンクに着色された実蠅の幼虫。。。これが、放射線を浴びせて不妊化させた実蠅を大量にばらまいて実蠅を根絶させる国家プロジェクトにたどり着かせる。
メキシコに単身乗り込んだボッシュは狙撃されそうになったり、実蠅根絶センターで黒幕を追い詰め対決したり、と危険極まりなく、心臓バクバクもの!

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2016年06月06日

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