【感想・ネタバレ】ノーサイド・ゲームのレビュー

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Posted by ブクログ

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「ひとりはチームのために、チームはひとりのために。素晴らしい言葉だろう。ラグビー選手は、チームのためにひたすら献身し、そしてチームも選手も見捨てない。組織とはそうあるべきだ」

いま自分たちが抱えている問題はなにか。なにをしなければならないか。批判は誰にだってできる。肝心なことは、行動を起こすことだ

君嶋「大事なのは、どうあるべきかを正しく判断することだ。誰でもわかる当たり前のことなんだよ」
多英「だけど、その当たり前のことが難しい。それがわかるのは、君嶋さんの才能だと思います」

柴門「こっから先はあいつらが考えて判断するしかない。監督や戦略の責任にするのか、何とかしようと踏んばるのか、それはあいつらが決めることだ。百パーセント確実なものはない。何を信じるかだ」

生涯の友情、思いやり、高潔さ、勝利へのあくなき執念。これこそが、七尾がラグビーというスポーツから贈られた最高のギフトだ。グランドの中だけでなく、人生に通用する原理原則である。

君嶋は語りかけた。「長く事業をやっていれば、いいときも悪いときもある。そうした事業の浮き沈みに振り回されるのは、起業スポーツにとってのいわば宿命だ。起業のスポンサードを得て活動する以上、起業が抱える様々な事情で、活動休止のリスクは必ず存在する。安穏として、ラグビーだけをやっていればいい気楽な環境なんて、世の中のどおを探してもない。これから先もないだろう。我々は社会人としての責任を常に背負ってここにいる。我々に必要なのは、変化する環境に対応し、そして常に逆境を乗り越える精神力んだ。どんな状況だろうと負けない気持ちの強さだ。そういう精神力を持ったチームだけが生き残り、強くなれる。そういうものあと思う」

君嶋は訴えた。「日本蹴球協会という不運な組織が管理していることが問題なんです。サッカーにせよバスケットボールにせよ、スポーツの改革成功事例は多くあります。そこに必要なリーダーが現れれば、日本のラグビー界は必ず変われる。きっと強くなれる。そう思います。目先のコストではなく、ラグビーというスポーツの本質にご理解をいただけませんか。我々はいま本気で優勝しようと頑張ってるんです。お願いですから、将来を閉ざさないでください。この通りです」

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2024年05月25日

Posted by ブクログ

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日本でラグビーワールドカップが開催される直前、ラグビー未経験者である君嶋が社内では経営陣からの収益性に乏しい不採算部門であると攻撃を受け。社外では旧態依然で改善提案を全く取り合わない日本蹴玉協会との格闘を描く。TVドラマを先に見ていたので、どうしても君嶋と大泉洋が重なって見えてしまう。古い体制に凝り固まった組織は君嶋のような、予備知識もしがらみもない人のほうが実効性のある改善に取り組みことができることに強く同意する。

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2024年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

池井戸 潤 2作品目。

ドラマで使われた米津さんの「馬と鹿」が頭の中をグルグル回っている。
トキワ自動車の総務部長に飛ばされた君嶋隼人の、ラグビーチーム・アストロズのGM奮闘記。

「中身のない奴が一時の栄華を誇ったとしても、所詮、泡沫の夢だ。」「最後には道を過たず、理に適った者だけが残る。」重い言葉で締めくくる奮闘記は、正統派の戦いである。

ラグビーチームを強化して、ファンを獲得し、優勝を目指してゆくのですが、スポーツシーンは少なく、チームを取り巻く環境(監督とか、ファンとか、予算とか、協会とか)の話題が中心です。そしてそこに全精力をかけるのがGM。リーダー論、マネジメント論とか、君嶋さんの発言に一つひとつ納得・感動させられる。
大企業の経営戦略室はこういう方の集まりなんだと、感心する。「現実を認識し、夢を語り、筋道をつけて戦う」

企業の資本に依存している社会人チーム。そして、ラグビーは黒字化が可能だろうか?1チーム最低16億円かかる予算を(もし真実ならば)、入場券売り上げ、TV放映権、ファンクラブだけで、賄うことは本当に可能だろうか? JリーグやBリーグ、野球に比べ、圧倒的に年間試合数が少ない。
また、ラグビーの場合、ほとんどが大学卒業後入部し、選手生命も意外と短い。プロ化・プロリーグ化が進められているが、引退後も考えてスポンサー企業も考えていかなければいけない。
いずれにしても、安穏とした選択肢は残されていないのかもしれない。

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2021年08月23日

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