あらすじ
人の最期は、延命か否かの簡単な二元論ではない。食べられなくなったとき、息ができなくなりそうなとき、心臓が止まりそうなときはどうすればいいのか。同居家族がいない場合は。かかりつけ医との付き合い方は……。「家逝き」を望む本人と看取る側は何に備えればいいのか。「村」唯一の医師として在宅医療、介護、看取りを支援してきた経験から四つの「家逝き」の極意を伝授する。国が推進する在宅時代の現実的な「解」を提示する。
“陸の孤島”福井県旧名田庄村の唯一の医師として仕事を始めて四半世紀。「自宅で逝きたい」「看取りたい」と願う本人と家族の希望をかなえるべく奔走してきたが、超高齢化の進展で、介護する側まで70代以上も多くなり、地域社会が残る旧名田庄村ですら自宅で大往生することが難しくなりつつある。在宅医療・介護・看取りの理想と現実とは何か。医療・介護の施設も人材も不足する中で、幸せな最期を迎えるための四箇条を提言する。
お一人さまも必見!
在宅介護時代の処方箋
●“延命か否か”の二元論じゃない
●同居家族がいる場合、いない場合
●トイレとお風呂での介助のポイント
●家逝き、痛み緩和、家族負担。優先順位を決め希望を絞る
●自宅で大往生を阻むもの――苦痛・身内・そして自分
●逝き方の理想と現実を整理する
●心づもりチェックシートから始まる逝き方準備
●孤立死、孤独死は、悲劇じゃない
病院も施設も足りない、医師、看護師、介護者も不足する
「先進地域」からの提言。これこそ在宅時代の現実解だ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
動物は動けなくなる、食べられなくなるとお迎えの刻のサインになるが、人間の場合摂理に逆行するする様々な処置がある。痛みの緩和を含め、食事、呼吸、心臓に関する処置は、延命か否かという簡単な二元論では語れないもの。そして介護と看取りは大きな問題。朝起きた時、「あっ、生きとった。死んでるかと思ったのに」(生きるも死ぬも)「どっちでもええわ」そんな心境になれたら最高ですw。逝きの覚悟とでもいうのでしょうか。1963年生まれ、福井県おおい町の診療所長、中村伸一 著「入門!自宅で大往生」、2019.3発行。