【感想・ネタバレ】オズの魔法使いのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 ジュディ・ガーランドのミュージカル映画も名作ですが、原作もまた素晴らしい名作でした。この二作は決して別物ではないのですが、興味深いことに映画には原作にはない要素が、原作には映画にない要素があって、大まかなストーリーは共有しつつ異なるメッセージを持っています。映画には「青い鳥」のように「やっぱり住み慣れた我が家が一番」というメッセージがありますが、原作にはほとんどありません。映画では臆病なライオンが本当に臆病であるのに対して、原作での彼は自分で臆病だと言って怖がってはいますが、その臆病さを認識して克服しようと常に努力しているためにむしろ序盤から行動に勇敢さを発揮しています。案山子と木こりについても同じことが言えて、彼らは自分の欠点を認識して謙虚に努めているため、その欠点は最初から既に克服されています。明示的には言っていませんが、そのように謙虚な姿勢で知・仁・勇を追求すべきであるという、論語の教えにも通じるメッセージを本書は伝えているのだと思われます。
 その他にもオズの正体であるとか三人の仲間の事情なども含めて、本書には何か哲学的なところがあるように思います。とはいえ小難しいことは何もなく、とても簡単にわかりやすく書いてあって、胸躍る冒険ものとして単純に楽しめます。仲間の得意技やアイテムを使って道中の問題を解決していくところはRPGみたいです。主な登場人物が皆とても優しい心を持っているのもまた素敵です。残酷なところがあるという意見がちらほら見えますが描写があっさりしてるのであまり気になりませんでした。僕の想像をはるかに越えて良い本でした。小1と小3の子供たちに読み聞かせて楽しみました。挿絵がオリジナルのもの(の一部?)で味がありました。お勧めです(ぜひ映画もご一緒に)。

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2012年05月25日

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