あらすじ
『機動戦士ガンダム』放映開始、『ルパン三世 カリオストロの城』公開、YMO『テクノポリス』リリース、ソニー「ウォークマン」発売、村上春樹『風の歌を聴け』でデビュー、『地球の歩き方』創刊、日本シリーズ「江夏の21球」……etc.
すべて1979年の出来事なんです。ポッブカルチャーを横断的に振り返る超実感的文化史の登場!
東大安田講堂事件から10年後であり、昭和天皇と手塚治虫と美空ひばりが亡くなる10年前。「重厚長大」の70年代と「軽薄短小」の80年代という明確に異なる時代の分水嶺であり、日本のポップカルチャーのカンブリア爆発ともいえるこの奇跡の年を振り返り、その社会的背景を探りつつ、いかに現在につながっているのかを検証・論考する。それが本書の狙いである。(本文より)。
【目次】
第1章 ガンダムと大友克洋
第2章 YMOとウォークマン
第3章 村上春樹と「江夏の21球」
第4章 角川映画と情報誌
第5章 『ジャパン アズ ナンバーワン』と『地球の歩き方』
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
副題にガンダムの放送、YMOのデビュー、
村上春樹の登場が1979年であるとされて
います。
それ以外にもインベーダーゲームの流行
や、ウォークマンの発売、宮崎駿監督の
劇場第1作作品「ルパン三世カリオスト
ロの城」の公開など、今でも「ああ、あ
れね」と、誰もが知るエンターテイメン
トが生まれた年なのです。
まさしくポップカルチャーの歴史を語る
上で、奇跡的は年が1979年なのです。
そんなバブル景気前の日本国が「若かっ
た」時代を語る一冊です。
ちなみに前年の1978年12月31日のNHK
紅白歌合戦の視聴率は何と72.2%だった
とか。
す、凄すぎる。
Posted by ブクログ
【「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われて舞い上がり,パックツアーで買い物をしまくる大人たちと違って,お金もなく自動車も持たないが体力や好奇心だけはある若者たちにとっては「街を歩く」ことこそが,ある意味,特権的行為でもあったのだ】(文中より引用)
ガンダムの放映が開始され,ウォークマンによって音楽が身近な存在となり,村上春樹が文学界に新風を巻き起こす……。時代の移り変わりと共に新たな文化が百花繚乱に咲き誇った1979年を取り上げ,その間に流行した文化模様を記録した作品です。著者は,マンガ解説者として活躍されている南信長。
読書中に,「へぇー,これも1979年だったんだぁ」という感想を何度も抱いた一冊でした。そしてその多くが今日に至るまでの影響や人気を誇っているというのもまた驚き。本作がきっかけでYMOの「ソリッド・ステイト・サバイバー」を聴いてみましたが,これまた素晴らしい作品でした。
本を読みながら懐かしいと感じる人も多いのでは☆5つ
Posted by ブクログ
ガンダム、YMO、村上春樹って考えるとたしかに1979年ってすごい年だな。章タイトルだけ見てもすごく刺激的。第1章ガンダムと大友克洋、第2章YMOとウォークマン、第3章村上春樹と「江夏の21球」、第4章角川映画と情報誌、第5章『ジャパン アズ ナンバーワン』と『地球の歩き方』。第1章が特に面白かった。大友克洋さんの影響力ってばすごすぎるね。当時江川の件でなんだか世の中が騒いでいた記憶がうっすらとあって、裏事情が書かれていてなるほどという感じ。章末のまとめの表は助かる。
Posted by ブクログ
ガンダムと漫画のところが特に熱くて面白い。YMOもよかった。考えてみると『増殖』などほとんど聴いてないアルバムもある。79年はオレが10歳で、記憶が確かになり始めな年代かもしれない。それより前はもっとぼんやりしているような気がする。それより、最近ここ10年くらいがますますぼんやりして来ていて、こうしてどんどんボケていって、昔の話しかしなくなってしまうのだろう。悲しいことだ。