あらすじ
ジェフ・ベゾスが銀行を作るとしたら、何をするだろうか?
次世代金融産業をめぐる戦いの構図と状況を明快に論じた待望の一冊!
テクノロジー企業vs既存金融機関の戦いを徹底分析!
三大金融ディスラプター(アマゾン、アリババ、テンセント)は何を目論む?
「世界一のデジタルバンク」と称賛されるシンガポールDBS銀行は何がすごい?
逆襲する米国金融機関ゴールドマン・サックスとJPモルガンはどんな選択をした?
日本型金融ディスラプターとメガバンクとの対決の行方はどうなる?
本書は、次のような重要な問題意識に基づいて、新しい金融のあり方を問います。
1.金融はもはや「Duplicate」(擬似的に創造)できる
2.金融ディスラプター企業が金融を垂直統合してくる(既存金融機関よりも本来の「金融」機能を実現している)
3.金融にも「当たり前」のことが求められてくる
「私は、物事の本質を考える際には、すでに使われている定義を見るのと同時に、大局的に宇宙からその物事が使われている様子を鳥瞰するようなつもりで、超長期かつ地球規模のスケール感で思考するようにしています。(中略)ここで重要なのは、先の項でも述べてきたように、人々の価値観が大きく変化しているなかで、「何が実際にお金として通用するのか」「どのような価値までお金に表象させるべきなのか」が潜在的に問い直されているということなのです」(最終章より)
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Posted by ブクログ
この本は読むなら早いほうがいいと思いました。
現在進行形で動いているテーマですし、その動きも速いので、どんどん状況が変化していくため、本書に書かれた内容に新規性や発見が無くなる可能性があります。
それぐらい、実態の社会がここ数年でどんどん変化し、変わっていくのだろうとも、この本から読み取れる金融を取り巻く各プレイヤーの熾烈な競争環境を考えると、思いました。
お金の取り扱いについて、一般消費者にとって当たり前に出来ること、便利になることが増える背景に、本書に書かれたような強烈な変革が引き起こっていくのですから、既存金融と金融ディスラプターの覇権争いは、世の中を良い方向へバージョンアップさせる原動力なんだと思いました。
Posted by ブクログ
2025年近くでもそこまで金融機関に隆盛を見せていませんが、大手のテック会社の資本で、試験的にあらゆる業種を駆逐していくというやり方は昔からよくあります。
金融はその中でもやりやすい部類でしょう。
将来を見据えて企業の考え方を学べました。
Posted by ブクログ
金融が果たすべく役割とは何か、本質的な価値とは何かについて考えされる内容だった。
世界最先端のフィンテック大国、中国。
楽天、ライン、ソフトバンク、SBIなどの日本の金融ディストラプター等など興味深く読めた。
Posted by ブクログ
金融がどう変わっていくのか、俯瞰して全体感を知っておきたいと思い手に取りました。
そんな中、フェイスブックのリブラも世界的に大いに注目を浴びて るニュースが報道されたりと、この流れをしっかり把握しておきたいとの思いを新たにするのでした。
そういう意味では参考になりました。
Posted by ブクログ
本書にある既存金融機関で仕事をしている身にとってみると、たいへん難しい課題を次から次へと投げつけられているような、そんな読み方になってくる。このような状況下、変われ変われと言われ続けて、定点にあるものはほぼ否定されて、動き続けることが正解だということなのだろう。ある一点からの変革によってたどりついた場所は即座に否定されるのである。
そういう状況を鑑みると、本書に書かれていることもまた一寸先は闇とも言えるだろう。それぐらいの勢いで変われ変われの課題を投げつけられる。
やはり本書を振り返ってみても思うことは、金融は手段なのだということなのである。手段が目的化した既存の金融機関にとって、その意識を変えることは非常に負荷が大きいことなのだが、そこをなんとかして金融の本筋に戻るしかない。
顧客が経験価値として心から欲するところへ向かうしかあるまい。
Posted by ブクログ
DBSは参考になる。「銀行は楽天をできないが、楽天は銀行をできる。」とも以前言われたように、規制産業のあり方をマクロで考えるためにはいい教材かも。
Posted by ブクログ
日本のメガバンクがGAFAやBATH、DBS銀行と伍していくのは無理だと悟った。変革への本気度、投資規模、旗振り役の能力等、とても敵わない。
ただ、なくなることはなく、現金信者や信用重視の日本人に特化して細々と生き残ると予想。金融もガラパゴス。
Posted by ブクログ
金融業界がGAFAを中心としたTech企業に侵食され、それに対し金融業界がどのように対応しているのかをまとめた著書。テンセント等の中国企業を含め、昨今の各社の事情が簡潔にまとめられた良書。ただ、新しい発見という意味では少なかった。