【感想・ネタバレ】つまずきやすい日本語のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年05月24日

辞書編纂者が書いた本で、とても読みやすかった。
コミュニケーションという言葉が氾濫するこの頃、なぜうまくコミュニケーションとれないか、という部分の答えが出てると思う。
「脳内辞書は人それぞれ」「読書とは、自分とは違うことばを使う多くの書き手と触れ合う営みです。他人のことばを理解し、誤解を防ぐために、...続きを読む読書は有効です」「ことばの正解はひとつでない」「ことばは頼りないから役に立つ」という部分は特に印象的だった。
書き言葉、話し言葉…いろんな要素が時間の流れとともに絡み、たくさんの言葉や本、会話が生まれてるって、つまずきやすいけど、凄いことだと感じた。

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Posted by ブクログ 2019年07月23日

さすが飯間さんと思わせる、丁寧で分かりやすい内容の本でした。
冒頭で読者にこの本の目的がタイトル通り「つまずき」を解消することであり「間違い(=正解がある)」を正すことではない、としています。「言葉には正しい・誤りがある」というありがちな誤解をまず指摘しているのは重要なところだと思いました。
そして...続きを読む「あなたと私の脳内辞書は違う」ことをまず認識させ、その違いに起因する「つまずき」をいかに乗り越えるか、その手段として「つまずき」例を挙げ、それを避ける手段を最後に説明しています。
「つまずき」としては、時間的変化、方言など地域差異、専門用語や若者ことばなど集団語などが挙げられています。
時間的変化についての指摘では、書き言葉は明治時代半ばまで古文というか文語体であり長年変化しなかったが、「言文一致体」が普及したために話し言葉の変化が言葉の変化として受け取られ「誤用」と受け取られるようになった、との点が興味深かったです。昔は話し言葉が変化しても文語体たる基準が完全固定されてたのに、近現代で話し言葉のほうが基準になったために、基準の揺れが気になるようになったんですね。
方言や集団語については、他人が理解しやすい言葉へ翻訳つまり言い換えをしましょう、ってことでした。そりゃそうですね。ですが、日常的に使っている言葉が一般の人には伝わらないことになかなか気付きませんので、普段から注意しておく必要があるでしょう。
最後の章には、相手に伝える・相手から受け取るコツがいくつか挙げてありました。語り手・書き手では「念押しで二度言う」「多義的な言葉(言い回し)を避ける」聞き手であれば「相槌を打って、分かりづらい点を質問する」本を読むときは「音読」。
本の終わりのほうには「間違いを指摘するのではなく寛容になる」ことも大事だとありました。ですが「相手が使ってほしくない言い回しがあれば言ってもいいのでは」とも。それを言い出せる関係は良い関係だと思いますし、そうありたいと感じました。
規範性を求められる辞書編纂者である飯間さん。しかし表紙には「言葉は、変化し続けるから、面白い」と書いてあります。言葉の意味は、辞書に固定された意味だけではないわけです。逆に、言葉の変化を辞書が日夜追いかけなければならないわけです。飯間さん、今後も追い続けてください。

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Posted by ブクログ 2019年07月04日

国語辞典編纂者の著者が、ことばはつまずく、ことばは誤解をうむ、ことばは時と場合に応じて変わっていく、意思を伝え合うことは「正誤」ではなく、うまく伝え、うまく受け止めることだ、ということを、平易に説くもの。よかったです。

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