あらすじ
「本書の目的は、我が国にできるであろうカジノを含め、賭け事をするという人間が本来持っている『密やかな欲望』を充足する場所として、現在、世界の100か国以上で提供されている『適切に管理された賭博場』であるカジノを、カジノに馴染みのない日本人に、賢く、かつスマートに楽しんでもらいたいことに尽きる」(著者)。
カジノのルールやマナーをわかりやすく示し、世界のカジノ事情を紹介しながら、IR推進法、実施法をもとに、日本でのカジノについて多面的に考察を加えた本書は、賛成派・反対派を問わず、まずはカジノについて正確な知識を持ってもらうために最適な一冊である。
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Posted by ブクログ
カジノに造詣の深い異色の元通産官僚であり、京大公共政策大学院の実務家教員であった著者による、カジノの解説書。賭け事をするという人間が本来持っている「密やかな欲望」を充足する場所として、「適切に管理された賭博場」であるカジノを、カジノに馴染みのんまい日本人に、賢く、かつスマートに楽しんでもらうためのカジノに関する正確な知識の提供が本書の目的とされている。
欧州型カジノとラスベガス型カジノの区別、カジノ収益の仕組み、カジノゲームのルールや遊び方、ヨーロッパやラスベガスのカジノの紹介、我が国におけるIR整備についての多面的考察など、カジノについて知るための基本的な内容が網羅されている。特に、ルーレットやブラックジャックなどのカジノゲームのルールや遊び方の紹介が詳しい。我が国におけるカジノを含むIR整備について考える上でも、本書の内容はとても有益だと思われる。
ただ、著者の好みのせいか、ヨーロッパの貴族趣味的なカジノが高く評価されすぎ、逆に、マカオや韓国のカジノが低く評価されすぎているきらいはあった。マカオや韓国のカジノを体験した自分からしたら、あの熱気のある雰囲気は魅力的だと感じるのだが、著者に言わせると、ヨーロッパのカジノのような優雅さがなく、下品だとのことである。
また、いろいろなカジノゲームのルールや遊び方について非常に丁寧に説明はされているのだが、やはりよく知らないゲーム(クラップスなど)については、文章で読むだけではどうしてもよくわからないというところがあり、実際に見てみるか、体験してみないと実際のイメージは掴めないなと感じた。