あらすじ
仕事は晴れの日ばかりではない。努力をしても成果が出ない。思うような評価が得られない――では、どうしたらよいのだろう?
・インセンティブに頼らない仕事術とは?
・「良し悪し」よりも「好き嫌い」――「コレクトネス」の奴隷になるな!
・UMS(ユニクロ、無印良品、サイゼリア)にみる独自価値の創造
・アマゾンの競争優位の正体は「順列」にあり
・「今こそ改革を!」を演説する社長を信用しない理由
・「勝ち組・負け組」と騒ぎ立てる人のイヤらしさ
・「ダイバーシティ経営」の落とし穴…etc
『ストーリーとしての競争戦略』の著者が贈る「究極の仕事論」。
成熟社会における仕事・ビジネスの活路を指し示す画期的考察がここに。
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Posted by ブクログ
幼少で夢ができたときに、ふたつの夢から抽象化して一般化したというのだから驚いた。
本書を通して、楠さんはものごとを深く考えているなと思うが、これが好きなのだろう。
ビジネスに関してだと趣味と仕事の違いの説明はとてもしっくりきた。グラデーションで捉えていたが、仕事は顧客を儲けさせること。ぼかした言い方だと、ベクトルが顧客に向いていることだと認識した。
仕事をする上での大きな基準となりそうだ。
良し悪しと好き嫌い、自分はどちらの傾向も持っていそうだが、どちらかと言えば好き嫌い族かな?
自分を深く知るための新しい軸になると思うので、生活の中で「今の良し悪しだな」、「これは好き嫌い族っぽいぞ」と言うように気づけると面白そう。
Posted by ブクログ
私は、このSNS時代を学生の時に経験せずに済んで良かったと常日頃思っているおばさんです。
SNSを基準に生きていると、世界中の人を自分の比較対象としなければならなくなるし、何か基準外の行動を取ると正論から外れるとばかり急に叩かれる・・・
経験値が浅く、視野も狭い若い子がこんな怖い世界に無防備にさらされているなんて気の毒に思えて仕方ありません。
今ほど正論が幅を利かせている時代はないんじゃないかなと、人のことはほっとけよ、とうんざりしている時におススメされた楠先生の本は痛快だったし私のもやもやを言語化してくれてすっかりファンになりました。
世の中を「良し悪し」ではなく「好き嫌い」を基準にするべき、という著者の主張は非常に共感できました。
また、テンポがよく砕けた語り口調も楽しく、そんな中に深く鋭い視点がちりばめられているところも面白く、他の本も読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ
著者が好きな物、嫌いな物を紹介しながら、なぜそれが好きなのか嫌いなのかを書いてある本。
ただし、著者の専門である競争戦略の話も絡めて書いてあり、読み物として面白い。
印象に残ったのは、努力するより凝る事、朝型(自分と同じだけ)、シナジーおじさんよりそれでだおじさん、エネルギー保存則、など、独自観点だが納得感がある。
更にプレイングマネージャーという本の最終章を初めて知ったが、まさに本質。実績のみが語るべき事。
Posted by ブクログ
良し悪しではなく好き嫌いで物事を捉えようというメッセージにはとても共感できた。
著者の好き嫌いについて語る、という体でさまざまな(主に経営学の)話題について思うところを述べていて、納得することもしないこともあった。何でも組み合わせれば良いものが生まれると思った丸投げする「シナジーおじさん」批判と、組み合わせではなくストーリーが重要である、という意見は私も会社での経験からなるほどそうだな、と思った。あとはブラック企業とホワイト企業が存在するのではなく、(法律の範囲内で)多彩な働き方の会社が存在するだけであり、各自性質に合うところを選べば良いのだという言説もまったくその通りだと思った。
自分がやりたいことをやりながら、それを需要のある層に当てていって仕事を成り立たせている著者はすごいし、私もそのようにしなければ今の生き苦しさはずっと続くだろうタイプの人間なので見倣いたいが、どうにも著者のことは好きになれないという感覚が読めば読むほど強くなる本だった。