あらすじ
『葛城りるとは、もうヤッたのかって聞いてるのよ』――孤独と絶望の淵にあった立川誠は、とある美少女・有栖に救済されたことがある。だが有栖は、とんでもない悪女であり、吸血鬼のように魅力的で淫魔に等しい存在だった! ……有栖により心に悪魔を棲まわせ常軌を逸する誠、そして誠を救おうとする奔放だが純潔の少女・葛城りる、最凶最悪かつ最も美しい少女・遠越有栖――赤き華に塗れた狂宴の物語が、今始まろうとしている!
...続きを読む感情タグBEST3
しつこすぎて癖になる面白さ!
中学時代、肥満児でいじめられっ子だった誠は、有栖という美少女にやさしくされて有頂天になる。だが有栖は簡単に誠を捨てて。絶望の末、リベンジを誓った誠はダイエットの末、イケメンに変身。
高校一年の今。クラスメイトになった有栖を見返してやると心に決めている。
ところが今まで無視を決め込んでいた有栖が再び、誠の方に近づいて来た時、有栖の言いなりになって次第に心のバランスを崩していく。
とにかくしつこい。
主人公にまとわりつき崩壊させていく有栖。
再び有栖が近づいて来ると、それを拒否できずに受け入れてしまう誠。
有栖に弄ばれ生殺し状態になると、本性むきだしに他の女子にしがみつき欲望を吐き出そうとする誠。
誠の気持ちを見抜き、制服を脱ぎ体を張って有栖から守ろうとする転校生の葛城りる。
有栖と誠に感化されたように、エロさにめざめるクラスメイトの女子たち。
とにかく出てくるキャラクター、誰もが濃い。誰もがしつこい。
息抜きの場面もないまま、しつこさ全開で最後まガーッと突っ走り、オーバーヒートした状態で、突然、ブレーキがかかって一応のハッピーエンドになる。
このしつこさにはまると、恐らくこの小説から離れられなくなる。
この作家の他の作品(例えば『こんな僕が荒川さんに告白るなんておこがましくてできません』シリーズ)に出てくる主人公は濃い。どこかぶっとんでいる。そしてよく読めばエロい。
それを作品全体にバーーーーッとぶちまけたので、ある意味、収拾がつかなくなりかけてるのを、ある意味、強引にまとめあげ、魅力たっぷりに仕上げたというのが率直な感想。
このしつこさ、エロさは、はまるとたぶん癖になる。
第二巻は未定のようだが、ぜひ中毒にしてほしい。