【感想・ネタバレ】シャーロック・ホームズ対伊藤博文のレビュー

あらすじ

ゴッド・オブ・ミステリー・島田荘司推薦! これは歴史の重厚に、名探偵のケレン味が挑む興奮作だ。シャーロック・ホームズが現実の歴史に溶けこんだ。いかに彼は目撃者のいないライヘンバッハの滝で、モリアーティ教授に対する正当防衛を立証し、社会復帰しえたのか。日本で実際に起きた大津事件の謎に挑み、伊藤博文と逢着する。聖典【シリーズ】のあらゆる矛盾が解消され論証される、二十世紀以来最高のホームズ物語。

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ネタバレ

タイトルが気になりすぎたので読んでみた。フィクションの存在であるホームズを、あたかも歴史上の人物のように扱っているものの、それが何の違和感もないように感じさせるのは凄かった。文章のテンポも良くすらすら読めるし、シャーロックとマイクロフト、そしてロシア皇太子兄弟の対比などめちゃくちゃ設定が練り込まれているなあと思った。一気読みしてしまうと解説にもあったが、その通りだと思わせてくれる作品だった。

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2025年05月09日

Posted by ブクログ

シャーロック・ホームズと伊藤博文という、2人の不器用な天才を描ききった作品です。シャーロック・ホームズは言わずと知れたミステリ小説の探偵ですが、この世界一有名な探偵は様々な作家の作品で描かれ、もはや歴史の偉人を語るのと変わらぬ存在感です。名前位しか知らない方は一度彼の性格を検索していただければ、相反する性格を併せ持つ人間臭さが分かると思います。
本作でのシャーロック・ホームズは、乱暴に言えば光と影の部分の描写のバランスが秀逸であり、最終的に受ける彼の印象、つまり読後感も素晴らしいです。一つだけ例を挙げると、知識欲の塊である彼は尊皇攘夷の名のもとに外国人を斬りまくった日本に対してかなり悪い印象を持ちますが、いざ日本の地に立てば、平らな目で観察し、即座に沢山のいい所に気付きます。頭が良すぎるが故の思い込みと、真実に触れる機会があれば瞬時に思いを改める柔軟さを併せ持つという事です。
対する伊藤博文も負けず劣らず人間臭く描かれています。総理大臣として国をまとめる冷静さや広い心を持つ反面、関係を悪くすれば日本が滅びる相手でも、怒りを抑えられないこともあります(2人の共通する魅力はこの“しっかり怒れる”点だと思います)。何より斬って当たり前の時代から一転、国際社会に認められる国作りという転換期の苦悩がよく表現されていました。
人物描写だけでなく、当時のイギリスや日本の風景や生活の様子もイメージしやすく興味をかきたてられます。1つ印象深いシーンとして、ホームズが日本を離れるときの別れが寂しくてまとわりつく娘を窘めた母親が、直後にホームズにお辞儀するのですが、ホームズが「日本人は相手の前で自分の娘を叱った時でさえ、相手に謝罪をするほどの繊細さを持っている」と感じる場面があります。
ミステリとしての出来も良く“ホームズまたやってるよ”とかいうようなことも、しっかり伏線となっています。何でもないようなシーン一つ一つも後に意味を持ったりと無駄がありません。もちろんミステリ的にも読後感良好です。

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2024年08月04日

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シャーロック・ホームズ・・・・・・と、伊藤博文!?
なんだそれは!?
と読み出したこの本、
読んでびっくり、あまりにも面白い!!
シャーロック・ホームズと伊藤博文、交わることがなさそうな2人が出会い、そして、深い関係を築いていく様子に感動しました。
そのとき自分が正しいと信じてした行為が本当に正しかったのか。そんな葛藤もあり、人間的に揺れるホームズに今までにない魅力を感じました。
衝撃の展開や、ホームズ、伊藤の友情。
感動と興奮の嵐は最後まで止むことがなく終わって欲しくないと思う間もなく一気読みしてしまいました!

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2024年06月22日

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面白かった!
シャーロックホームズが、現実に存在していたら??というタラレバで伊藤博文と絡むお話。

しかも実際の大津事件をもとにしており、
本当にいてこんなことがあったら?とワクワクしながら読めた。

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2022年09月25日

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ホームズと、実在の伊藤博文とのかけあい、そして実際にあった事件でのホームズの活躍。

言葉はわからずとも、類まれな推理力でホームズが日本と溶け合っていくような感覚がとても面白かった。
伊藤家との触れ合いの中で、ホームズの思考が変化していくのも興味深い。
その流れも不自然ではなく、しっかりとした潮流の中にあったと思うし、全体的に「家族」というものが理念的にあったように思う。

そして、日本がの劇的な変化と建設を背景に繰り広げられる、ホームズの推理と博文の行動力。
テンポや展開も非常に読みやすかった。
2人がしっかり相棒のように噛み合ったり、少々意見が食い違ったりと、物語が絵になって浮かんでくるようであった。
シャーロキアンではないが、シャーロキアンでないからこそと言うべきか、とても楽しめた1冊となった。

そして今の情勢にも通ずるところがあるような気がした。

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2022年03月29日

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たいそう面白かった!
すごい構想。大きな事件。
歴史的事実との絡め方が上手すぎる。1つ解決したら、次々に……。引き込まれて一気読み。

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2019年09月08日

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いや、伏線多すぎ(褒め言葉
あの大津事件が、まさかの展開で純粋にすげーってなった!
マジおもろかった!
登場人物、いいキャラしてる

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2025年03月28日

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シャーロック・ホームズシリーズを読んでいるので楽しく読めた。ホームズシリーズのネタが散りばめられていて、「そんな話あったな」と思い出すことも多かった。ホームズが「バリツ」なる謎の日本武術(?)を使うという原作の設定も上手く使っている。伊藤博文や井上馨のキャラも良かった。

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2025年01月04日

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めちゃくちゃ面白かったー。多分歴史詳しかったらもっと面白かったりツッコミどころがあるのかも知れんけど、大好きなホームズが実は日本でこんな活躍を、、、なんてワクワクした。子供の頃読んだホームズはもっと理性的というか冷たい感じの記憶もあったけど、このホームズは最後兄弟の在り方とか友情とかあたたかい部分がたくさん感じれてそこもよかったな。
とにかく一気読みしちゃう面白さやったー。
読んでよかった!

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2024年09月24日

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ネタバレ

参加している読書会の「ホームズパスティーシュ」回で紹介した作品。面白かったです。
ライヘンバッハの滝壺に教授を落としたものの教授への殺人容疑でお尋ね者になってしまったシャーロック・ホームズは、兄の計らいで旧知の伊藤博文を頼って日本へ国外逃亡しました。
ふたりの出会いそのものは日本が攘夷に揺れてた維新前にロンドンでだったけど、伊藤博文が総理大臣になった後に再会したら険悪な仲に。そんな状況で伊藤博文を頼らざるを得なくなってしまったけれど、逃亡先の日本では関係改善できてほっと。「タイトルの対とは?」と思っていたら、お互いに考え方や意識の違いで対立していたことかな…。
丁度日本では大津事件が起きており、一旦収束したかに思えたけれど再び帝政ロシアとの開戦が危ぶまれる事態にシャーロックが挑む、みたいなお話。
市井の日本人がだいたい英語を解するのは??だったけれど、それ以外は意外と無理なく事件解決にシャーロックが関わっていてすごいです。近代国家へ生まれ変わろうとしている日本がシャーロックにも影響していく。

伊藤博文以外にも井上馨や陸奥宗光も出てくるし、ニコライ二世はもちろん、他のロシア高官たちも実在するのだろうな。
びっくりしたのが、北海道警にいる斎藤という警部。えっこれ斎藤一?と思って読書会でも話題にしたら、「斎藤一は1892年の退官前には北海道に務めている」って教えてもらって、「斎藤一まで!?」とたいへんざわつきました。すごいな。。


読書会では他にも様々なパスティーシュが紹介されました。聖典もパスティーシュも読みたい本が増えました。

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2023年06月11日

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面白かった!映画にもしてくれないかな。
実力行使、自力救済から法治主義へ。せめぎ合いながら進んでいく。
ホームズが事実の中に出てきた。明治時代日本の大津事件。ホームズってほんとにいそうな気がするから…伊藤博文もかっこいい。
クライマックス、松岡圭祐さんらしい面白さ

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2022年12月15日

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シャーロック・ホームズと伊藤博文にまさか大津事件を絡めるなんて!更に終盤は予想外の展開に(ネタバレになるので書きませんが)。
ストーリーテラーの松岡圭祐ならではの発想に加えて、全編シャーロック・ホームズへのオマージュに溢れた作品。ラストの終わり方もシャーロキアンは満足なのでは。

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2022年09月12日

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ネタバレ

シャーロック・ホームズという架空の人物と伊藤博文という実在の人物が友人同士という面白すぎる本である。また、殺人事件などでは無く歴史上の出来事を持ってきてホームズならこれをどう解釈するのかというところもとても面白かった。事実と虚構が混じりつつも伊藤博文の人間性や人間関係の部分や当時の雰囲気をここまで演出したところがとてもエンターテインメント性を感じた。最後のシーンでは、ホームズが長年疑問であった兄弟の関係性やホームズと博文のあるはずの無い関係性が設定の巧妙さによってまるで本物であるかのような感覚に感じるところがとても不思議な気分で感動した。
 
最後にこの小説をアニメ化したときの声優陣を乗せておくので読むときの参考にして欲しいです。
シャーロックホームズ:森川智之
伊藤博文:山寺宏一
ニコライ:内山昂輝
シェーヴィチ:平田広明
カネフスキー:津田健次郎
陸奥宗光:井上和彦
井上馨:銀河万丈
園田警視総監:山路和弘
向畑治三郎:杉田智和
北賀市市太郎:中村悠一
チェーホフ:高戸靖広
アンナ:湯屋敦子
デニーキン:小西克幸
マイクロソフト:置鮎龍太郎
ワトソン:高木渉
セバスチャン・モラン:梁田清之
ジェームズ・モリアーティ:土師孝也

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2021年11月12日

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これを読んで痛感したことは、私って歴史を知らないな!!でした。
シャーロックホームズに精通していなくても大体どんなキャラクターなのかを知っていれば読めますが、ホームズ作品を知っていれば尚楽しめると思いました。

伊藤博文が女好きなエピソードは創作かと思いきや、どうやら史実だったらしいので、きっと武道に長けていたのも本当なんだろうな…。

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2021年03月27日

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シャーロックホームズ作品を空想科学読本的なアプローチで解読する、、って感じのネタが随所に散りばめられている。
そこに、伊藤博文、井上馨、大津事件、ニコライ殿下、そしてホームズ。表の顔と異なる地の部分。癖のある問題児盛り沢山。破綻なくミステリーに仕立てる手腕、素晴らしい物語です。

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2020年08月16日

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大日本帝国初代総理大臣の伊藤博文とコナンドイルの産み出した名探偵シャーロックホームズの夢の共演!!!


伊藤博文
総理大臣であったこと、暗殺されて死んだ事、維新三傑亡き後の日本を牽引した人、中国から一目置かれていたぐらいが自分の持っていた伊藤博文への知識
本書を読んで女好きである事と奥さんが偉い事が分かった。

シャーロックホームズ
名探偵(コナンドイルの作品を読んだ事は無い)
本書を読んで、どの名探偵よりも計算力、記憶力、推理力が凄い!探偵の見本!!!


ホームズがライバルのモリアーティ教授を倒す場面から始まる。
イギリス留学中の伊藤博文が幼少期のホームズを助けた事から、とある理由でホームズは日本へ行く事に!
再開を果たす伊藤とホームズはロシアと日本の開戦を防ぐために政治力と知力を駆使して陰謀へ挑む!

ホームズも博文も凄い!!!

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2020年07月12日

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シャーロック・ホームズが好きな人におすすめ。
ホームズが日本に来ていたという説は以前聞いたことがあった。著者はそこからホームズと伊藤博文が出会うという、高揚せずにはいられない物語を紡ぎ出した。

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2019年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2017/10/28
松岡先生はすげえな
ホームズ大好き・歴史大好きの需要ぴったり!
2021/06/29再読
ラインバッハの滝つぼに悪の帝王モリアーティを
突き落とした罪は名探偵ホームズの名声をもって
しても糾弾されてしまう
マイクロフトは旧知の伊藤博文を頼り日本へ密航
させる
日本でも鋭い推理の力で、ロシアのニコライ皇太
子が津田三蔵に切りつけられた大津事件から戦争
勃発寸前となるのを防いだ
攘夷を実践してきた伊藤博文が法治国家を意地で
貫く姿勢が、英国女王への親書となり国王大権を
もってホームズを自由の身と助け出したのは博文
の友情であり読者の涙をさそう

ええ話や(´・ω・`)

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2021年06月29日

Posted by ブクログ

初読。おもしろかった。ドイルの原作を読んでた時期に読んでたらもっとはまっていたかも。
正直、不平等条約の是正よりホームズを優先したのはどうかと思うけど、物語と思えば許容範囲。
そこに至るまでの終盤の展開が特におもしろかった。

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2025年07月27日

Posted by ブクログ

シャーロック・ホームズのパスティーシュやパロディは数多あるが歴史上実在の人物を絡めたジャンルも数多ある。日本人作家だと夏目漱石辺りが出てくるが本書では明治の元勲伊藤博文が相棒役。盟友井上馨と共に若き日にロンドンでホームズ兄弟と会っており、ライヘンバッハの滝からの空白期間日本にいたという設定。イギリス人からしたらトンデモ本だが大津事件など歴史事件も含めて違和感なく書かれている。
ホームズ兄弟とニコライ兄弟を対比させているのが本書の見どころではあるが個人的には伊藤博文と井上馨が歳を重ねてもやる時はやるバディ感が良かった。

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2025年07月04日

Posted by ブクログ

作者のアイディアと知識の豊富さに何回感銘しただろうか
今回もホームズと伊藤博文のコラボ
かなり違和感があるが、背景や史実には感銘した

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2024年12月16日

Posted by ブクログ

題名から、とんでもない際物なのではないかという自身の先入観を一気に取り払ってくれる作品だった。
ホームズの作品を読んでいる人なら誰もが気になる空白の期間。ホームズの視点からみた世界の動静と、兄弟の関係性が多分に語られるのは新鮮だった。
ワトソンがいないのは少々寂しいが、まさか伊藤博文が見事な代役になるとは思わなかった。

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2024年09月01日

Posted by ブクログ

ライヘンバッハの滝でモリアーティと
死闘を繰り広げたホームズは
自分が死んだことにして身を隠す。
英国の目のある国にはどこにも行けず
行き場に困った彼に兄が提示したのは
いまだ未開の地と思われている東国・日本だった…。

異国の地で、かつて知り合った
伊藤博文を頼ったホームズだったが
ロシア皇太子が襲撃された
大津事件とかかわり合うことに。
はたして蓄積された知識のない国で
ホームズは事件の真相を探り当て
日本とロシアの開戦の危機を止められるのか?

この著者で、このネタ。
おそらく私好みで面白かろう…というわけで、大正解。
ホームズのパスティーシュでもあり
大津事件の真相という歴史ミステリにもなってる。

空白のあの期間に来日してて
こんな事件に巻き込まれて
あんな心情の変化があったなら
後半生のホームズのキャラが
初期と違うのもむべなるかな?

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2024年08月08日

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和のテイストが加わってもコナンドイルの描くホームズの世界観が崩れることがなかった。実際にあった事件とフィクションがうまく融合されていて興味深く読むことができた。

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2024年07月06日

Posted by ブクログ

幼い頃一通りホームズを読んだけれど、そこまでの思い入れはなかったので、一小説として読んだ。ホームズが人間くさいように思ったけど、ホームズを好きなほど楽しめるのかな?

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2023年01月02日

Posted by ブクログ

ホームズがラインバッハの滝にモリアーティと共に落ち、空家の冒険で再登場するまでの空白期間の物語。伊藤博文と無二の親友になりますが、とにかく伊藤博文が格好良すぎる。ホームズが霞むほど魅力的。
ホームズの謎解きはもちろんあるけど、ケレン味がなくすっきりした印象。
友情、謎解き、魅力的な登場人物、史実に絡めた事件…。
最高に面白いはずなんですが、幾分上品すぎるせいか手に汗握る展開とはならず。
ただラストにはじんわり感動。
もう一度シャーロック・ホームズの帰還を読み返したくなります。

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2022年10月13日

Posted by ブクログ

この小説を読む前に解説では絶賛の嵐で期待して読みましたが ずーっと違和感が有る状態でした。内容自体は正直それ程面白く有りませんでした。何か無理割り歴史に合わせてありホームズも何か違う様に思われました。これはTV向きなのかもしれませんね!

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2021年07月12日

Posted by ブクログ

黄砂の籠城・進撃とほぼ同じ時代背景で、より歴史を理解することに役立った。実在の人物ばかりの中にシャーロック・ホームズという架空の人物を入れる手法がとても面白い。

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2020年12月26日

Posted by ブクログ

ホームズの話をきちんと読んでることが前提なので、今のタイミングで読んだのは失敗だったな、、、。
大津事件の解釈をフィクションと実在人物に当てはめるのは興味深い発想ではあったが。

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2019年12月05日

Posted by ブクログ

虚実混ぜ合わせた設定は緻密で面白い。史実の大津事件を巡る“真相”には驚かされるが、必要以上の日本人&明治維新礼賛はちょっと引っ掛かった。

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2017年12月06日

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