【感想・ネタバレ】小説 日米食糧戦争-日本が飢える日のレビュー

あらすじ

アメリカの輸出禁止で日本中から食糧が消え、飢えた民衆は略奪を始める。明日にも始まる大飢餓パニック。コメも、小麦も、大豆も消える? 病人は? 老人は? 追いつめられた日米交渉の行方は……日本の食糧自給率40%、穀物自給率27%は先進国中最低。異常気象による農作物の不況は世界的規模で飢えの連鎖を派生させていく。農政問題の第一人者として知られる著者が、データ資料を駆使して描いた恐るべき日本の近未来。

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Posted by ブクログ

星3つ、としたが気持ち、3.5ぐらい。09年に発行された本なのだか、ウクライナロシア戦争を目の当たりにした今では、ドミノ倒しになる経済にヒヤリ。そしてわかったこともひとつ。この本のタイトルにもあるが、当時も日米の対立というかたちに還元される問題ではなかったのだろう、ということ。本の内容もそうはなっていない。今は、おそらくひとつでも食料に苦しむ国、ひとりでも食料の貧しさから救われることが世界を救うのだろう。都市、農村、島での生活が、対照され、島から都会にでた若者が島に帰る。与党政府と野党との政策の対照があり、野党は、政権奪取に成功するが、食料増産に地方への働きかけを繰り返していく働きかけの途中、刺殺される。遺伝子組み換え穀物を扱う企業の暗躍で、種籾が危険性にさらされる。さまざまなシーンがある。登場人物が多い。実はこの名前の多さが混乱するかも。必ずしも問題解決を意図した小説でもない。それは、政権交代した首相が刺殺されることでもわかる。むしろ描かれた貧困の問題が切実である。多くの社会的背景が変化しているのだなあ、と思う反面、現在も困り事、不幸のかたちは、似ているかも。

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2022年11月30日

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