あらすじ
街の電器屋さんvs.大手家電量販店の戦い!大手家電メーカーで働く轟雷太は長引くデフレの影響で入社三年目にして突如リストラされてしまう。転職活動を諦めた彼は実家の母が経営する店を継ぐ決意をする。そこは昔ながらの地域密着型の「街の電器屋さん」。だがそこも近所の大手家電量販店に客を奪われ、経営は風前の灯火だった!<文庫書き下ろし>
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
時間を忘れて読み耽る体験を、久々にさせてもらった。
大好きな江上剛さんの作品だし、描かれている背景がかなり自分に関連する舞台になってるからである。
いわゆる家電量販店と町の電気屋さんの戦いなのだが、主人公や周りを固めるキャスト、対峙する敵、その歴史、バックグラウンドが複雑に入り組み、一級の企業小説を作り上げている。
これ以上は、面白くすぎて言えねーw
池井戸潤さんや企業小説が好きな読者なら、間違いなく秒でストーリーに入り込んでしまうと思う。それくらい面白い小説。ぜひ読んで欲しい。
Posted by ブクログ
「街の電器屋さん」が家電量販店にどう立ち向かったのか興味があり手に取りました。
住宅業界で働いているため、ハウスメーカーに対する地場工務店の存在意義を教えられた気がします。
印象に残ったフレーズは以下のとおり。
・非効率なことこそ付加価値
・お客様の話を聞くことが大事
ここに至るまでの道のりを聞いてから情報提供
それがプロの仕事
・売上目標ばかり追求したらお客様満足度は下がる
・商品は我が子と同じ
お客様の手に渡ったら、役立っているか、心配して時々は様子を見る等、気にかけてこそお客様との信頼感が増す
・サービスする心とは、それぞれが持てるものを精一杯与えて、相手はそれに応えること
・商人は売上よりも利益
利益を上げることで社会貢献ができる
・商売は、自分たちの持ち味を見つけ、伸ばし、発揮すること
・価格には「心+価格」というものがある
お店の心をプラスした価格を提供することが商売には大切
それぞれのお客様に相応しい心のサービスを提供すること
・お客の心を掴むには、お客の望むことを何でもやる
・「気づき」のサービスとは、お客様が何を求めているか気づくこと
それを確立することが他との差別化、高売りに繋がる
懐かしく面白い
町の電気屋さん、寂れた商店街など今の日本を表していますが、そこで大型店に負けない様に奮闘している主人公と仲間達の物語がとても楽しく読む事が出来ました。