あらすじ
製糸・紡績、鉄道、鉱山、金融。日本の近代化を支えたものは戦争と侵略だったのか? 本書は日清・日露両戦争と産業革命の関係を軸に、構造を変革する主体の姿を解明、新たな歴史像を描出する。明治の国家目標「殖産興業」が「強兵」へと転換する過程を追い、十九世紀末から二十世紀初頭にかけて世界経済の中で日本が選択した道を鮮やかに活写する。
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Posted by ブクログ
タイトルを見て購入しました。「日本の産業革命」って明治時代くらいにしか思っていなかったけれど、確かにいつ頃なのだろう?という素朴な疑問から購入しました。具体的に本書は明治時代中盤から日露戦争後までにおける日本の経済面に着目した本です。データもそこまで整備されていないなかで、日本の産業面で何が起こっていたかが比較的わかりやすく記載されていると思います。また本書を読んで思ったこと、それは現在脚光を浴びている「新興国」と比べて日本の置かれていた状況がいかに違っていたか。逆に言えば先発帝国主義国に翻弄され、外資も恐ろしくて大々的に導入できなかったような状況で、よくぞ日本は経済成長した、ということです。また日本も日露戦争後に対外債務がふくらみすぎて、今でいうソブリン債務危機の一歩手前になっていたという記述も興味深かったです。